九話 ページ11
『……リッパー、さん』
「おや、もうご存知でしたか」
仮面で表情は見られないが、意外そうに言えば「その通りですよ、可愛いお嬢さん」と続けた。
どうやらこの人(？)には、自分が女に見えるらしい。
合ってはいるが可愛いは余計だ。
「貴女のお名前は」と問われたため攻撃する様子も無いために名乗る。
『Aです。……攻撃、しないんですね』
「いえいえ、初対面でしたのでお互いに自己紹介を…と思っただけですよ。さて、ゲームの続きとしましょうか」
目の前で鋭利な爪を振り上げる姿を見て、咄嗟に走り出す。
狭い建物から出れば壁の多い場所に向かう。
足音が規則正しくついて来ている。
暗号機はあと一台。
自身が追われている間に解読出来ればいいが。
正直、運動神経が良いと胸を張れる訳では無い。
少しばかり自信がある程度だ。
しかし長い間、世間から身を置いていたためか、いきなりの激しい運動に息が切れてしまう。
『……っは、はぁっ』
変わらずついてくる足音。
鼻歌まで聞こえてきた。
ハンターからすれば余裕なのだろうか。
板の置かれた隙間を通れば、その板を倒し振り返る。
「時間稼ぎ、ですか」
答える余裕はない。
板が壊される前に遠くに逃げようと振り返る瞬間、微かに笑い声が聞こえた。
直感的に危険を感じ身を避ければ、すぐ横を何かが通り過ぎていく。
″たまに霧を飛ばして攻撃して来るから背後には気を付けろよ″
先程聞いた言葉が脳裏をよぎった。
足元に霧が発生していることから、ナワーブさんの言った通りだ。
霧を避け壁に隠れて走っていれば、サイレンの音が鳴り響いた。
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夏目(プロフ) - 続きってないんですか？ (2019年7月18日 15時) (
レス) id: 6f15b8d456 (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜漬け(プロフ) - りょうです。さん» ありがとうございます！そう思って下さっている方が居ると知れて嬉しいです^^* 励みになります！ (2019年2月28日 19時) (レス) id: 414c0d4d99 (このIDを非表示/違反報告)
りょうです。(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！！待ってます！！ (2019年2月23日 23時) (レス) id: f9bb48da83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蜂蜜漬け | 作成日時：2019年1月29日 5時
