6 個性把握テスト[3] ページ9
第一種目:50m走
「3秒04!」
「ひぇ〜凄いねあのメガネの人!」
隣でお茶子が歓声を上げる。それに相槌を打ちながら、エンジン音の様なものを轟かせるふくらはぎを見ていた。この世界は何でもありだなぁ、と感じるのはこれで何度目の事だろう。将来1秒で地球を一周できる様なヒーローにならないかなあ、と*赤いコスチュームの彼を思い出していた。
「Aちゃん次だよ!」
「ん」
お茶子に肩を叩かれてハッとする。アキレス腱を伸ばしながらスタートラインに向かった。
さてはて、皆個性をフル活用していい記録を出そうとしている。身体能力が人間の4、5倍ある喰種とはいえ、個性と種目の相性が良い人間になら簡単に抜かれてしまうだろう。あんまり余裕をこいてもいられないな、とクラウチングスタートの姿勢を取りながら気を引き締めた。
「START!」
思い切り蹴り上げると、スタブロがバギンという物凄い音を立ててひっくり返っていた。
「あ、やば」
全力で走りながらチラリと振り返って見ると、足止めのところが分離して転がっていた。弁償かな、どうしよう。と脳内で大まかな金額を叩き出す前に、測定器から「4秒02!!」という機械的な音声が聞こえてくる。
「・・・先生」
ゴールラインで記録を取っていた相澤を振り返って、どうしよう、という視線を送ってみる。お給料日はまだ先だ、と1人勝手に焦った。
「気にすんな、怪我はしてないな」
「え、あ、はい・・・大丈夫、です」
「そうか、ならいい」
怒られると身構えていたのに。学校の備品を壊せば怒られる、きっとそういうもんだろう。
相澤は何か一言二言ロボットに伝えると、それが新しいスタブロを持ってきて何事もなかったかの様に測定が再開された。
「こっち!」と手をふって飛び跳ねるお茶子の所へと向かう。
何だろう、除籍処分発言からてっきり湿った*ス/ー先生みたいな人だと思ってたのに。本当はいい先生なのかも知れない、彼女もいい先生な事には違いないからね。
ただ、「あんたの髪の毛を闇市で売っ払いたい!それで未熟児用のお洒落なコートを作るんだ、フルレングスのモッコモコのコートだよ!」と頭の中のス/ー先生が相澤に怒鳴っているところを想像してしまって笑いをこらえる。「どしたん?」というお茶子に「何でもない」と返して体育館へ移動した。
ー
*赤い〜=映画●LASH
*ス/ー先生=ドラマg/l/e/eのチアリーダー鬼コーチ、彼女の暴言は最高です。
一見の価値ありです。
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はるにゃー(プロフ) - わかります...!! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - はるにゃーさん» コメントありがとうございます!良いですよね、、、ハスミンのサイコパスみが最高です( ˘ω˘ ) (2018年3月14日 20時) (レス) id: 5fabf8878f (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃー(プロフ) - 悪の教典面白いですよね! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - ておどーるさん» 次からは気を付けた方がいいですよ〜更新頑張ってください! (2018年3月13日 21時) (レス) id: b712ea93b0 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - 雪兎さん» 御報告ありがとうございます!確認不足申し訳ないです、解除いたしました。 (2018年3月13日 21時) (レス) id: 1b153ac47e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ておどーる | 作成日時:2018年3月13日 20時