39 学級委員長[5] ページ43
「押してくんじゃねぇ!つか触んな!!鬱陶しいんだよその白髪!!」
「ムリムリムリムリ、出るから、出るから頭揺さぶんないで・・・」
爆豪に髪の毛を掴まれ、引っ張られる。
倒れた後にこの扱いだ。
蒸しパンはもうすぐそこまで来ていた。
う゛、と青白い顔で口を覆うのを見て、爆轟はギョッと目を見開く。
「お前ココで吐いたらタダじゃおかねぇぞ!」
「ガンバルん゛ぅ・・・」
誰かが身を捩る度にそれが刺激となって込み上げる。
そしてその込み上げた生臭い匂いが更に刺激になるという地獄だった。
「もう無理かもシれナイ・・・・」
「ふざけた事抜かしてんじゃねぇ!!飲み込め!!どうにかしろや!!」
「
「なんつってんのかわかんねぇよ!!」
クソが!と盛大な舌打ちがかろうじて聞こえたかと思えば、襟首が物凄い力で引っ張られる。
「ん゛んんんん〜〜!!!」
何が何だかわからなくて、ただ必死に喉を締めた。
ゴン、と頭が固くてヒンヤリとしたものにぶつかる。
それがガラスだと気付いたのは、そっと目を開けた先、覆いかぶさるように目の前に立つ爆豪が、そのガラスの窓に手をついていたからだ。
「・・・・」
そっと自分よりずっと上の位置にある爆轟の顔を覗き見る。
つり上がった赤い瞳がこっちを見下ろしていた。
「ぜってぇ吐くなよ、吐いたらコロス」
殺気じみた気迫でそう迫られれば、逃げ道のないここでは首を縦に振るしかない。
入学初日にメンチ切られて、数日もしないうちに今度は髪の毛引っ張られるわ、ど突かれて頭は打つわ、逃げ道塞がれて脅されるわ、なんなんだコイツ、と恨めしげに至近距離にあるその顔を睨んだところで、違和感に気づく。
(あれ、誰ともぶつかってない?)
さっきまであんなに揉みくちゃにされていたのに、それが嘘だったかの様な落ち着く空間に立っていた。
「・・・まさか」
「黙れや」
「ありが」
「死ね」
「・・・いふぁい」
ガッと乱暴に頰を鷲掴みしてきた爆轟は鬼の形相だった。
少しだけ、ほんのちょっとだけ、1ミクロンくらい、爆豪の株が上がったが、彼が拒否するんだからお礼はもう言ってやらない。
その後、非常口みたいなポーズで飛び出した飯田によって、自体は収束。
それがきっかけとなって、出久は飯田に学級委員課長の座を譲る事となり、当の私はキレ気味の爆豪に女子トイレにぶん投げられて、なんとか尊厳は守ることができた。
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はるにゃー(プロフ) - わかります...!! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - はるにゃーさん» コメントありがとうございます!良いですよね、、、ハスミンのサイコパスみが最高です( ˘ω˘ ) (2018年3月14日 20時) (レス) id: 5fabf8878f (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃー(プロフ) - 悪の教典面白いですよね! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - ておどーるさん» 次からは気を付けた方がいいですよ〜更新頑張ってください! (2018年3月13日 21時) (レス) id: b712ea93b0 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - 雪兎さん» 御報告ありがとうございます!確認不足申し訳ないです、解除いたしました。 (2018年3月13日 21時) (レス) id: 1b153ac47e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ておどーる | 作成日時:2018年3月13日 20時