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38 学級委員長[4] ページ42

「警報!?」

ビクリ、とその恐怖心を煽る大音量の和音に身が竦む。

『セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんはすみやかに屋外へ避難して下さい』
「セキュリティ3って何ですか?」
既に背を向けている上級生に飯田が焦ったように尋ねる。
「校舎内に誰か侵入してきたってことだよ!三年間でこんなの初めてだ!!君らも早く!!」
「んぁ!?」

その言葉を皮切りにしたかのように、生徒達が一斉に雪崩れ込んできた。
ヒーロー科の他にサポート科、経営科、普通科、要するに全校生徒の大半が集う食堂、その人の多さは尋常じゃない。
あっという間に出久達との距離が遠さがり、パニックと化した人混みの中を揉みくちゃにされながら流されてしまう。
小柄なのも相まって、体のあちこちが我先にと出口に進もうとする生徒の腕や足にぶつかり、もうどこが痛いのかもわからない。加えてさっき流し込んだ蒸しパンがリバースしそうだ。

「うわっ!?」

ドン、とひときわ大きな衝撃が背中を押し、バランスを崩してしまう。
受け身を取るにもムカデみたいに暴れる無数の足が伸ばした手を蹴飛ばして、硬い床に肘から着いた。

「っ〜!」

いくら喰種といえども、人体の構造は人間と同じ。
尺骨神経がブチ切れそうな鋭い痺れと痛みに思わず涙腺が緩む。

「ちょ、待て人倒れた!!倒れたって!押すな!!」
「危ねーって!!」

と、目の前の上級生らしき生徒が気にかけてくれるも最早暴徒と化した集団には何も伝わらない。
チッ、と内心で舌打ちをして、どうにか起き上がろうと手をつける僅かなスペースを探し求めていた時、見覚えのある、腰履きのダボったるいズボンが手の先にあった。

(・・・ええい、やったれ!!)

この人混みに圧殺されるか、床を吐瀉物塗れにするよりはマシ、と覚悟を決めてそのベルトループに指を引っ掛けた。

「!?んだテメェ何引っ張ってやが・・・」
「どうも、お世話様です・・・」
「ふざけんな!!離せ!!キメェんだよクソ白髪!!」

ガクン、とずっこけたのはやっぱり爆豪だった。
目が合った瞬間おのずとふざけた言葉を口走ってしまい、もともとこの暴徒に腹が立っていたらしい爆豪を余計キレさせてしまった。

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設定タグ:ヒロアカ , 東京喰種 , 相澤   
作品ジャンル:アニメ
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はるにゃー(プロフ) - わかります...!! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - はるにゃーさん» コメントありがとうございます!良いですよね、、、ハスミンのサイコパスみが最高です( ˘ω˘ ) (2018年3月14日 20時) (レス) id: 5fabf8878f (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃー(プロフ) - 悪の教典面白いですよね! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - ておどーるさん» 次からは気を付けた方がいいですよ〜更新頑張ってください! (2018年3月13日 21時) (レス) id: b712ea93b0 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - 雪兎さん» 御報告ありがとうございます!確認不足申し訳ないです、解除いたしました。 (2018年3月13日 21時) (レス) id: 1b153ac47e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ておどーる | 作成日時:2018年3月13日 20時

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