33 マスコミ[1](0323 微修正) ページ37
「わぁどうしよう」
「真顔で言っても困ってるように見えないぜ」
「あ、切島君。おはよう」
「おう、おはようA!」
校門が見える曲がり角で立ち止まっていたA。それをたまたま発見した切島が、Aの肩越しからひょっこり顔を覗かせ群がる報道陣を眺めていた。
「流石にオールマイトの影響力ってのはすげぇな」
「平和の象徴だもんね。とは言え学校に押しかけるのはどうなんだろう」
「それもそうだよなぁ」
そう言いながら切島は隣の整った横顔をチラリと一瞥した。
いつも淡々として話し、あまり表情を変えない彼女が、声や表情に少しの嫌悪を含んで話すのを見るのは初めてだった。
「・・・なんか、嫌なことでもあったのか?」
「ん?あ、いや。ちょっとカメラとか、マスコミが嫌いなだけ。別に機嫌が悪いんじゃないんだよ」
そう言って白い彼女の眉間には一層深いシワが刻まれる。
その表情は威嚇するようにも見えたし、何かに怯えているようにも見えた。
そして切島はしばし思案する。
彼女が何を怖がっているのかはわからないが、このままここで立ち止まっているわけにもいかない。
とは言え隣に立つ彼女が、一人で校門を突っ切っていけそうにも思えない。
「よし、なら一緒に行くぞ!」
「・・・ん?一緒に行ってくれるのは嬉しいんだけど、何で脇に抱えられてるの?」
「だってお前人混みに潰されそうだし・・・」
「いなめないけどもさ・・・」
「だろ、ホラ行くぞ!ってかおっまえ軽いな!?飯ちゃんと食ってっか?!そんなんで力出んのか?!」
ズカズカと突き進む切島。
Aの答えが帰って来る前に、マスコミの持つマイクがどっと二人に押し寄せた。
「オールマイトの授業風景について!詳しく教えてくれないか!」
「教師としてのオールマイトについてどう思いますか?一言でもいいので!!」
「あれ、抱えられてる君、ヘドロ事件の・・・?!」
「おおぉっ!?スンマセンッ俺、急いでるんで!」
引き止めるマスコミの声が次第に遠くなり、切島はAを抱えたまま走る。
立ち止まればもうそこは校舎内、見慣れた廊下の真ん中だった。
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はるにゃー(プロフ) - わかります...!! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - はるにゃーさん» コメントありがとうございます!良いですよね、、、ハスミンのサイコパスみが最高です( ˘ω˘ ) (2018年3月14日 20時) (レス) id: 5fabf8878f (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃー(プロフ) - 悪の教典面白いですよね! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - ておどーるさん» 次からは気を付けた方がいいですよ〜更新頑張ってください! (2018年3月13日 21時) (レス) id: b712ea93b0 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - 雪兎さん» 御報告ありがとうございます!確認不足申し訳ないです、解除いたしました。 (2018年3月13日 21時) (レス) id: 1b153ac47e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ておどーる | 作成日時:2018年3月13日 20時