16 女の子たち[2] ページ19
「ももちゃん、それは・・・」
「?Aさんは何を恥ずかしがっておいでて?」
「だって・・・」
更衣室でAは顔を手のひらで覆っていた。
彼女は独学でドイツ語をかじっているそうで、今度改めて教えて欲しいとドイツ語講習会にて話した女の子の内の1人だった。
やおよろず、と上手く言えないので下の名前で呼ぶことにしたのだが今それはどうだっていい。
「それは・・・海外で放送されたときに全身モザイクになるよ・・・」
はて、と首をかしげる八百万には実感がないらしい。海外の日本アニメに対する規制の厳しさを少しはわかって欲しい。喫煙シーンすらまともに放送できなくて、某海賊一味のコックさんはロリポップに差し替えられているというのに。
「まあそれはともかく、ずるい」
同性ながらにしても少々目のやり場に困る胸元は、同い年なのにどうしてか発育の差がありすぎた。
自身の真っ平らな胸を見て感傷に浸っていると、ぐい、と誰かの腕が肩に回る。
「それな」
「あ、えっと耳郎ちゃん・・・?」
「そ、耳郎響香。よろしくね」
耳郎の差し出した手を握り返して「よろしく」と返し、八百屋もそれにならう。
「発育の暴力だわ・・・」
「本当にね」
ブツブツと聞こえないように話す2人を八百万は訝しげに眺めながら服を畳んでいる。
「ほら、Aさんも早く着替えないと先生に叱られてしまいますわよ」
「はぁい」
そう急かされて、脱ぎかけのブラウスに手をかけた。
制服を仕舞おうとロッカーに行くと、お茶子も既に着替え終わっている。
薄桃色を基調とした身体のラインが出るヒーローらしいコスチューム。
思わずお茶子の両肩を掴んで全身が良く見えるように向かい合わせた。
「
「えへへ、本当?でもちょっと恥ずかしいかも・・・」
照れたように笑うお茶子、話を聞けば必要最低限の要望しか書かずに送ったせいでデザインが完全に製作者側の趣味に走ったらしかった。
それでも可愛いものは可愛いし、似合ってるんだから、とお茶子を褒めていれば後ろから「ほら、急いで!」と八百万が急かすのを忘れない。
「なんか、2人は姉妹みたいだね!」
「あー確かに、Aちゃんが妹で八百万さんが姉」
「同い年なのに・・・」
耳郎の目がAと八百万を行き来して、その後ろでお茶子が首をブンブンと振っていた。
ーーー
じろちゃんって初回はヤオモモのことなんて呼んでたっけ・・・。
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はるにゃー(プロフ) - わかります...!! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - はるにゃーさん» コメントありがとうございます!良いですよね、、、ハスミンのサイコパスみが最高です( ˘ω˘ ) (2018年3月14日 20時) (レス) id: 5fabf8878f (このIDを非表示/違反報告)
はるにゃー(プロフ) - 悪の教典面白いですよね! (2018年3月14日 20時) (レス) id: a8130d6d57 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎(プロフ) - ておどーるさん» 次からは気を付けた方がいいですよ〜更新頑張ってください! (2018年3月13日 21時) (レス) id: b712ea93b0 (このIDを非表示/違反報告)
ておどーる(プロフ) - 雪兎さん» 御報告ありがとうございます!確認不足申し訳ないです、解除いたしました。 (2018年3月13日 21時) (レス) id: 1b153ac47e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ておどーる | 作成日時:2018年3月13日 20時