3 異変[2] ページ7
「・・・出久、」
ドクドクと心臓が嫌にうるさくて、それをどうにかして欲しくて懇願するように出久の名前を読んだ。
ビクリと大げさにも肩を震わせる出久。
「・・・っあ、いやっその・・・」
左右に泳ぐ目にサッと青ざめる顔。
それを見て、思い出した。
自身が出久の目の前で赫者化してしまった事を。
あまり記憶はない。
だけど、あれはもう人間の姿ではないから。
怖がらせて、しまったんだろうか。
この静まり返った教室の訳を理解して、携帯一台で馬鹿みたいに浮かれていた自分を悔やんだ。
――そっか、そりゃ怖いか。
大人たちは何事もなかったように接してくれたけれど、それが大人たる対応であってこっちが正解だ。
今向けられている視線が真実だと、現実を叩きつけられたみたいでハッと思わず笑ってしまう。
「・・・ごめんね」
ポケットに突っ込んだままの手が、もらった携帯をぎゅっと握りしめる。
ミシ、と手のひらの中で嫌な音がした。
「あっ、ちょっちょっと待ってAちゃん！！」
教卓前までかけてきて、引き止める出久の言葉に足が止まりかけるが下手な同情とか、そういうのは出久からは聞きたくはなかった。
そのまま一番後ろの自分の席目指して大股で出久の横を通り過ぎる。
早くつけ。
席が誰もいない一番後ろでよかった。
まるで避難所に逃げ込むように踏み出したその時、
「っ！？」
「っAちゃん！？大丈夫！！？」
ガガンッ
と大きな音を立ててAは床に倒れこんだ。
「怪我はない！？痛いところは？！」
「っやめ・・・」
駆け寄る出久の腕を振り払って、自力で起き上がろうとする。
しかし両足が何かに押さえつけられていて立ち上がることができない。
「トチってんじゃねえぞ白髪女」
「・・・離せよ」
足を抑えてるのは席に座ったままの爆豪勝己だった。
絡まった両足をうまい具合に靴底で組み敷いていて、ちょっとの力じゃ抜け出せない。
睨み合う両者に出久が慌てふためいて、それを見かねた飯田や切島と言った男子達、その中には常闇や障子に口田までもがお互いの目を見合わせながら集まってくる。
「・・・ま、まあまあ落ち着けって二人とも！！」
「そうだぜ、退院したばっかなんだしやり過ぎだ爆豪・・・」
切島と瀬呂が焦ったように前に出てくる。
やり過ぎ、なら程々ならいいってのか。とAが思い切り二人を睨んだ時、
スパァンッと物凄い勢いで教室の扉が開かれる音がした。
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ゆあ - すみません。いくら探してもツイッターのアカウントが見つけられないんです。どうやって探せばいいんですか？ (2019年9月5日 21時) (
レス) id: b0f6bda559 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - めっさ面白い！続きが見たいいぃぃぃぃ!!!!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
小幸(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！！リアルの方でも頑張って！！ (2018年5月18日 2時) (レス) id: 4d03ac968f (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 作者様愛してます！この話大好きです！更新頑張ってください！ (2018年5月4日 21時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ておどーる | 作成日時：2018年4月7日 0時
