25 猫を追う[2] ページ30
あの猫なら大丈夫だ、と警戒を解いて電話に出る。
「なに？」
『普通電話に出るときは”もしもし”って言うもんだにゃあ』
「切るよ」
その言葉通りなんの躊躇いも無く終了のボタンをタップすると、すぐに通知音。
馬鹿猫自販機で缶コーヒー当たったんだけど今どこ?
その文を読んで、ふむ、と考える。
確かに今飲んでるこれはあと数口でなくなりそうだ。
カフェインがどうだとか、世間では色々言われているらしいし委員長にも口うるさく言われているが、多分喰種にカフェイン云々は問題ない。
そう言う事にしておこう、と勝手に決めつけて”おくじょ”と中途半端な日本語を送りつけた。
入力とか変換とか。
取り敢えず意味が伝わればそれで良いんだと思う。
●
それから数分もしないうちに、何故だか猫姿のままのチェシャが現れた。
首に巻きつけた唐草模様の小さな風呂敷に、缶コーヒーが包まれている。
しかも１本だと思ったのに２本入っていた。
「この格好は一体なに？」
膝に乗せたチェシャ。風呂敷の結び目を解きながら一応聞いてみる。
「校則違反云々で先生に撃ち殺されそうににゃってさぁ〜、こっちの方が逃げ隠れしやすいだろ。
途中でミッドナイト先生に拾ってもらって、着けてくれたにょよ。あ、その一本ミッドナイト先生からだから」
まあ、だいたいコイツの理由なんて大抵ロクでもない事なんだと思っていたけれど。
本当にロクでもなかった。
猫は気まぐれ、自分のやりたい様にしかやらないし他人の言うこともきかない動物だ。
猫は飼うもんじゃない、飼わせて頂くものなのだ。
とはいえ、この馬鹿猫に限っては半分人間なのでそんなこと思わないが。
しかもその人間部分が全てを台無しにするほど癪に触る性格をしているので最早猫ともいえない何かかもしれない。その身体だけが猫だ。中身は燃えないゴミか何かなのだ。
その事に関してはもうなにも言うことはないとスルーして、「お礼言わなきゃね」とだけ返す。
「言っておきな、意外にゃことに先生方からの君の評価は良いらしいから。好感度あげておいでよ」
「本当にムカつく。三味線の皮にしてやりたい」
ニンマリと笑う顔を睨んで、その柔らかい腹の皮を摘んだ。
「痛い痛い」と笑うチェシャ。
その声に混じって微かにだが、こちらに向飼う足音が聞こえた。
階段を上っている。
チェシャも気づいたのか、耳を立てて屋上の扉をじっと見つめていた。
「生徒かにゃ」
「衣擦れの音からするにね」
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ゆあ - すみません。いくら探してもツイッターのアカウントが見つけられないんです。どうやって探せばいいんですか？ (2019年9月5日 21時) (
レス) id: b0f6bda559 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - めっさ面白い！続きが見たいいぃぃぃぃ!!!!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
小幸(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！！リアルの方でも頑張って！！ (2018年5月18日 2時) (レス) id: 4d03ac968f (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 作者様愛してます！この話大好きです！更新頑張ってください！ (2018年5月4日 21時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ておどーる | 作成日時：2018年4月7日 0時
