24 猫を追う[1] ページ29
昼時の少し眩しいくらいの日差しに、穏やかな風。
それに目を細めながら、使い慣れてきた携帯をなんとなしに眺めていた。
皆から頂いた缶コーヒーを啜りながら、学校から漏れ出る喧騒をBGMにゆったりと流れる雲を眺める。
すると、手に持った携帯がポロン、と音を立てて振動した。
「うげ、飯田ぱぱからだ」
少し前までは飯田ママだったが、ママと言うと「俺は女性ではないぞ！」と１００％の確率で返ってくる。枕詞だろうか。
画面に映る”戻ってきたまえ”の文字に顔をしかめた。
それに「いや」と二文字だけ送信すると数秒のうちに返信が来る。
「文字打つの早いわ」
シャカシャカとフリック入力とか言う早業を皆は習得している。
こちとら一文字一文字押して入力しかできんのじゃ、と口先を尖らせてもその文句を送る前に昼休みが終わるかもしれない。
いや、昼休みが早く終わってくれる事に越したことはないのだが。
また、ポロンと音が鳴る。
今度はなんだよ、と少々苛立ちながら確認するとグループの方で捜索願が出されていた。
無論、捜索されているのは他でもない。
私である。
「・・・はぁ〜」
そもそも何故こんな事になってしまっているかと言うと、単に逃亡したのだ。
地獄の昼飯時、日曜以外の週６で襲いかかる栄養にもならない不味いだけの菓子パンを胃に放り込む時間。
しかし今日は違った。
先日チェシャが渡したカードをあの委員長が持っているのだ。
「A君、今日は手始めにカレーと行こうか！！」
そうカード片手に意気込む飯田を見て、いっそのこと本当の地獄に落ちた方がマシだと心の底から思った。
地獄はどこです閻魔様。早くこの舌を引っこ抜いて欲しい。
次々に「了解！」とスタンプが返ってくるトーク画面をうんざりした顔で流し読む。
皆、そんな熱心になんなくていいんだよ。
心配してくれるのは嬉しいけど、本当に、あんなの食べたら死んでしまう。
といった理由で、現在屋上へと絶賛避難中なのである。
コンクリートの硬い地面に腰を下ろしてそのまま仰向けに寝転がる。
授業に遅れない様、タイマーでも設定してこのまま寝入ってしまおうか。
そう思った矢先に今度は電話が鳴った。
絶対出ない。
間違って通話ボタンでも押したらアウトである。
飯田か、出久か、それともお茶子か・・・誰からだ、と恐る恐る画面を見る。
しかし、そんな予想は見当違い。画面に表示された発信者の名前には”馬鹿猫”の三文字が表示されていた。
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ゆあ - すみません。いくら探してもツイッターのアカウントが見つけられないんです。どうやって探せばいいんですか？ (2019年9月5日 21時) (
レス) id: b0f6bda559 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - めっさ面白い！続きが見たいいぃぃぃぃ!!!!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
小幸(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！！リアルの方でも頑張って！！ (2018年5月18日 2時) (レス) id: 4d03ac968f (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 作者様愛してます！この話大好きです！更新頑張ってください！ (2018年5月4日 21時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ておどーる | 作成日時：2018年4月7日 0時
