22 誘い[3] ページ27
「・・・連絡先聞いたのがダメだったのかな」
とっくにあの白色は見当たらないのだが、尾白は扉から廊下に顔を覗かせたまま呟く。
女の子のことはよくわからない。
ただ、自分と同じ様な個性で自分よりずっと強い彼女を素直に尊敬した。
だから今回勇気を振り絞って誘って見たわけなのだが、心が急かすままに行動したのが悪かったのだろうか。
「ってなんかそう言う事じゃない、・・・多分」
そう言うとなんだかちょっと青春っぽく聞こえるじゃないか、と尾白は頭を振る。
尊敬を恋に履き違えてなんかいない。
逆に、恋を尊敬と履き違えてもいないはずなのだ。
ただ、これから体育祭まで一緒にいれる時間があるのは嬉しいことに違いはない。
頭の中で「違う違う」と余計な思考を扇ぎ散らしながら、そのうち戻ってくるだろうAを待つことにした。
●
「馬鹿にゃの、君」
「こればっかりは否定できない」
教卓にだるそうにもたれ掛かるチェシャ。
せっかくオールマイトから貰った携帯を、ものの１日で破壊した。
しかも自分が勝手に早とちりして、八つ当たりに握りつぶしたと言う間抜けな理由で。
そんなことを駆け足で説明した愚兄の第一声がそれだった。
「あー、良かった。中の基盤がちょっと可笑しくにゃってるだけだから、すぐに直せる」
「本当に？良かった」
何故、ジャケットの胸ポケットからドライバーなどの工具が次々と出てくるのだろうか。
それは何次元のポケットなのだろうか。
猫だからなのだろうか。
教卓が作業台と化してはや数分。
集中しているチェシャに話しかける程、無礼では無いAは色々突っ込みたい気持ちを抑えつつその作業を黙って見守る。
それにしても、ここは1-Aの真上2-Aの筈。
なのに机は一つもないし生徒もこのチェシャ以外に一人もいない。
呆然とそのがらんどうを眺めていると、「終わったよ」と振り返ったチェシャが携帯を差し出す。
「早いね」
「そりゃ僕にかかればこんにゃの赤子の手を捻るよりも楽勝さ」
「あっそ」
そのドヤ顔は一年経っても癪に触る。
奪い取るが如く、その携帯を受け取って電源ボタンを押してみるとさっきまでの反抗期はなんだったのか、すんなりとさも当然といった様に画面が光った。
「・・・お礼として一番最初に登録する権利を与えようと思うのですが、どうでしょう」
「それは光栄至極に存じますにゃあ」
「よし、ならまずライムだかレモンだか・・・それがなんなのか教えて欲しいのお兄ちゃん」
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ゆあ - すみません。いくら探してもツイッターのアカウントが見つけられないんです。どうやって探せばいいんですか？ (2019年9月5日 21時) (
レス) id: b0f6bda559 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - めっさ面白い！続きが見たいいぃぃぃぃ!!!!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
小幸(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！！リアルの方でも頑張って！！ (2018年5月18日 2時) (レス) id: 4d03ac968f (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 作者様愛してます！この話大好きです！更新頑張ってください！ (2018年5月4日 21時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ておどーる | 作成日時：2018年4月7日 0時
