20 誘い[1] ページ25
「Aさん、」
「・・・・」
「・・・Aさん？」
「あ、はい、ごめんぼーっとしてた」
あの後、授業開始ギリギリに教室へと戻り今日の授業は無事終了した。
缶コーヒーの他に、コーヒー関連のお菓子まで買ってくれたクラスの女の子たちへのお礼も終わってひと段落した所。
八百万が創造で作ってくれたクラフトの紙袋の中、コーヒーはともかくこの大量のお菓子はどうすればいいのかと悩んでいた所に突然後ろから声を掛けられたのだ。
Aは驚きで跳ねた頭をそのまま声の方へと向けると、金髪糸目、腰からはたくましい尻尾を生やした男子生徒が立っていた。
「尾白くん・・・あ、そうだ、えっと缶コーヒーありがとう。今度何かお礼させて」
棒読みっぽくなってしまったかもしれない、と言った後に後悔する。
だけれど、こうして一気に言わなければちゃんと言えるチャンスは無いかもしれないと思ったのだ。
・・・結局、ちゃんとは言えていないのだけれど。
「ああ、いいよいいよ、コーヒー一つぐらい。皆の気持ちで、俺からの気持ちだから気にしないでくれると助かるかな」
そう言って尾白は笑う。
何だかその「助かる」と言う言い方はずるいな、とAが口を尖らせて納得しない顔でいると尾白は「そうだ」と何かを思いつたように呟いた。
「本当にさお礼とかは全然いいんだけど・・・もしAさんが納得いかないって言うなら、・・・その、体育祭に向けての特訓付き合ってくれないかな・・・？」
「特訓？」
「そう、ホラ、俺とAさんの個性ってちょっと似てるし、戦闘訓練とか襲撃事件の時改めて思ったんだけどAさん凄く強いからさ。もし良ければ見て欲しいなって思って・・・」
どうかな、と照れ臭そうに尾白は頭を掻いた。
「いいよ」
「えっ、本当に？！」
「うん、それでお礼になるのなら」と飲みかけの缶コーヒーを啜る。
ちなみにこれは本日４缶目である。
委員長の言葉など、とうの昔に豆と共に焙煎されたのだ。
今やカラカラに干からびて原型もない。
とそこで、ふと今後の予定を思い出した。
「あ、でもバイトあるから毎日ってわけにはいかないけど大丈夫？」
無事に退院したことをあのおしどり夫婦に報告せねばならない。
チェシャが一応の連絡を入れてくれていたので、４日間の音信不通とはならなかったが流石に迷惑をかけてしまっただろう。
謝罪も込めての顔出しだ。
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ゆあ - すみません。いくら探してもツイッターのアカウントが見つけられないんです。どうやって探せばいいんですか？ (2019年9月5日 21時) (
レス) id: b0f6bda559 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - めっさ面白い！続きが見たいいぃぃぃぃ!!!!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
小幸(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！！リアルの方でも頑張って！！ (2018年5月18日 2時) (レス) id: 4d03ac968f (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 作者様愛してます！この話大好きです！更新頑張ってください！ (2018年5月4日 21時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ておどーる | 作成日時：2018年4月7日 0時
