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同時刻、食堂にて緑谷出久は考えていた。
「このカードは無くさないように大切に保管しなければいけないな！」
「飯田くんもう殆どAちゃんのお母さん状態だよね！」
「俺は男だぞ麗日くん、言うのなら父親の方が正しい」
「じゃあ飯田パパだ！」
そんな会話が目の前で繰り広げられているが、今の出久の耳には入らない。
襲撃事件までつけていなかった兄妹お揃いのチョーカーを指差したチェシャの姿を思い出す。
事件の二日後、臨時の休みが明けた日に出久、梅雨、峰田の３人は相澤に呼び出されていた。
オールマイトと能無の戦いを間近で目撃した３人だ。
なんだろう、と首を傾げながら向かった職員室で、相澤は包帯に包まれてくぐもった声でこう言った。
「敵側がAに対して何か言っていたのを聞いた奴はいるか」
その言葉に３人は唾を飲んだ。
あえて誰も話題にしなかった、というよりできなかった。
目の前であんな壮絶な戦いを見せつけられて、本人は怪我で危ない状態だ。
それになりよりあの言葉が一体なんの意味を持って言われた事なのか、知りたくなかったからかもしれない。
強張った顔で黙る３人を見て、相澤はため息を吐く。
「・・・あれを雄英は敵側の狂言だと判断した。お前らに限ってそんな事ないと思うが、戻ってきたらこれからも変わりなく接してやってくれ」
その言葉に安心して、勢いよく返事したのを覚えている。
ただ、あの首にかけられた黒色とチェシャとAの言動が、嫌に出久の心に引っかかっていた。
白い首筋に似つかわしくない黒だ。
それが一体何なのかを出久は知る由も無い。
一年前に偶然出会って、今も夜のランニングは続いている。
このクラスで一番心を許せる人、と聞かれたら真っ先に思い浮かぶのは彼女だった。
だけど、思い返してみると彼女のことをよく知らない自分に気づく。
個性も性格も、好きな飲み物だって知っているけれど、それはクラスのみんなも一緒。
今日だって初めて両親がいないことを知った。
てっきり雄英入学のために親元を離れているんだと思っていた。
表面だけじゃなくてもっと深い部分。
彼女はそこに触れさせてくれることはない。
何故だか、心臓を針で突かれるような心地がした。
「ねえねえデク君！体育祭楽しみだね！」
「へっ？あ、ああそうだね麗日さん！！」
思考から引き揚げられて、話が体育祭にまで発展していたことを知る。
原因不明の痛みは忘れ、目の前に迫る体育祭談義に花が咲いた。
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ゆあ - すみません。いくら探してもツイッターのアカウントが見つけられないんです。どうやって探せばいいんですか？ (2019年9月5日 21時) (
レス) id: b0f6bda559 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - めっさ面白い！続きが見たいいぃぃぃぃ!!!!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
小幸(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！！リアルの方でも頑張って！！ (2018年5月18日 2時) (レス) id: 4d03ac968f (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 作者様愛してます！この話大好きです！更新頑張ってください！ (2018年5月4日 21時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ておどーる | 作成日時：2018年4月7日 0時
