14 飯田の凶行 ページ18
「そうそう、お兄さんの言う通りに。ね、」
ニタ、と笑ったチェシャはAの腕を掴んで立ち上がらせる。
なんで、と不機嫌な彼女にチェシャはちょい、と自分の首に掛けられた首輪を指差した。
「お呼び出し」
「・・・・わかった」
ため息を吐いてAは渋々昼食で出たゴミを片付ける。
「ちょっと行ってくるね」とその場を後にしようとした時、飯田がハッとした顔をして立ち上がった。
「ど、どうしたの飯田くん」
見上げる出久の先には、顎に手を当てて何かを迷っている飯田。
ブツブツと何やら呟いて演算中らしい。
高性能な彼は数秒で答えを弾き出した。
「お兄さん！」
ビッ、と天を割かん勢いで飯田の手があげられる。
それに振り向いたチェシャは首を傾かせて飯田を見た。
「妹さんの食生活についてなのですが！！」
(まだ終わってなかったんかいソレ！！)
と心の内で思っていたのは出久にお茶子にAの３人。
Aに至ってはいつも以上に表情が無だった。能面のようだった。
「Aさんはいつも菓子パンしか口にしないのですが、お兄さんはどう思われますか！」
「・・・飯田くん、お兄さんを味方につけるつもりだ・・・！」
「外堀から埋めて行ってる・・・飯田ママン恐るべし！」
大悟でもしてしまったのか、微笑すら浮かべるAの前で飯田は腕をブンブンと振りかざす。
チェシャはキョトン、とした顔で見つめていたがすぐに貼り付けたような笑みを浮かべて名案だ！とでも言うように飯田の肩を叩いた。
「飯田くん！ちょうどよかったにゃ。僕も妹の食わず嫌いにはほとほと苦労しててね？君しっかりしてそうだから、妹にちゃんと食べるよう指導してあげてよ。はいこれ、食堂のカード。一食５００円以内にゃらにゃんでも買える奴。君に預けるから適当なもの食べさせてあげて。頼んだよ〜未来のヒーロー」
「・・・・っはい、しかと承りました！！！」
ビシィッと頼りにされた事に感動で震えながら、飯田はカード片手に敬礼をする。
「Aちゃんの逃げ場が全て絶たれた･･･！」
「でも、もっと食べないと倒れちゃうよ！飯田くんとお兄さんナイス！」
「あ、それもそっか。Aちゃん偏食だから・・・」
じゃあね、と笑顔を振りまいて食堂を後にする兄に悟り顔の妹。
ソレを見送る３人は、よくやったよ！、と飯田の凶行を褒め称えた。
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ゆあ - すみません。いくら探してもツイッターのアカウントが見つけられないんです。どうやって探せばいいんですか？ (2019年9月5日 21時) (
レス) id: b0f6bda559 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - めっさ面白い！続きが見たいいぃぃぃぃ!!!!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
小幸(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！！リアルの方でも頑張って！！ (2018年5月18日 2時) (レス) id: 4d03ac968f (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 作者様愛してます！この話大好きです！更新頑張ってください！ (2018年5月4日 21時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ておどーる | 作成日時：2018年4月7日 0時
