8 回答[5] ページ12
その声に二人はバッと勢いよく振り返る。
文字通り血眼。
天使の正体は誰だ、と視線を縦横無尽に走らせると天国の中心に座すAが「あの、」ともう一度二人を、正しくは峰田を呼んだ。
「心配かけて、ごめん」
はしゃぐ女子達を宥めて、改めて皆に向き直る。
「皆、心配かけてごめん。それに・・・出久、」
静かになった教室でAは出久のことをチラと見た。
「どっ、どうしたの？」と出久は突然呼ばれた名前にびっくりしながらAを見る。
「さっき手払っちゃってごめん。切島くんも瀬呂くんも睨んでごめん」
視線を下げて謝るその姿はなんだか叱られた子犬のようで。
耳と尻尾が項垂れているのが目に見えるようだった。
「・・・なんだ、そんなことかよ！」
「っう、」
ニッと笑った瀬呂がAの頭にチョップをかます。
「気にすんな！！つか誤魔化し下手すぎるよな俺たち！」
「私が寝坊してしまったばっかりに・・・ほんまごめん〜！」
耐えきれなくなったように、お茶子が両手を合わせて皆に頭を下げ始める。
それを切島達が「ちげえって！」とフォローして、教室は再び賑やかになった。
呆然としてその騒ぎを見ているAに出久はおずおずと近く。
「Aちゃん」と二人に聞こえるだけの声で呼びかけた。
「確かに皆凄く心配したけど・・・、こういう時はごめんじゃなくてね」
―――ありがとうって言うんだよ。
そう耳打ちされた言葉にハッとして、Aは離れた出久をじっと見た。
それに気がついた出久がニコ、と微笑む。
しかし次の瞬間・・・
「・・・・っあ、」
自分の行いに気がついたようだ。
「あぁぁああ僕はなんて事・・・！！？そ、っその、いやっ、ご、ごめんAさんんんんっ」
「・・・・おばかさんめ」
いくら無意識とはいえ、女の子耐性0どころかマイナス値の出久が耳打ちなどハードルが高すぎる。
自覚してしまった出久は真っ赤になった顔を両手で覆って、一人お得意のブツブツ呟きでマイワールドに行ってしまった。
これは当分戻ってこない。
目の前に広がるのはいつもの個性的なクラスメイト。
個性が強すぎるせいで個々で独立しているようにも見えて、でもなんだかんだでうまくやっていけている。
と思う。
「ああもう、みんなありがとう」
どんちゃん騒ぎの教室。
その声が何人に届いたのかは分からないけれど、それでもいい。
一人一人、ちゃんと「ありがとう」を伝えよう。
そう心の中で決意して、Aは静かに微笑んだ。
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ゆあ - すみません。いくら探してもツイッターのアカウントが見つけられないんです。どうやって探せばいいんですか？ (2019年9月5日 21時) (
レス) id: b0f6bda559 (このIDを非表示/違反報告)
有栖(プロフ) - めっさ面白い！続きが見たいいぃぃぃぃ!!!!! (2018年9月9日 0時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
小幸(プロフ) - 面白かったです！これからも頑張ってください！！リアルの方でも頑張って！！ (2018年5月18日 2時) (レス) id: 4d03ac968f (このIDを非表示/違反報告)
白ちゃん - 作者様愛してます！この話大好きです！更新頑張ってください！ (2018年5月4日 21時) (レス) id: a5c2574b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ておどーる | 作成日時：2018年4月7日 0時
