"格" ページ7
「海賊王になる」
ルフィが真顔でバギーに答える
隣のルビィも同様に真顔でバギーを見据える
一瞬無言になったバギーは白目を剥き肩をプルプルと震わせると、急に物凄い剣幕で捲したてる
「フザけんなっ!!!ハデアホどもがァ!!!!てめェらが海賊王だと!?ならばおれァ神か!!?世界の宝を手にするのはこのおれだ!!夢見てんじゃねェ!!!」
バギーの言葉を皮切りに、臨戦態勢に入る
それと同時に、ゾロが倒したはずのカバジが背後でユラリと立ち上がる
もう意識もなく、いまだ切創からの出血しているカバジが自力で動くはずがない
その証拠に剣を掴むその手に力は入っておらず、首も座っていない
ならば何故動けるのか
背後に迫る、殺意のないその気配をルビィが察知し、攻撃を受け止める
幸い力が入っていない所為か容易に受け流す事ができた
『な…どういう事…?』
カバジを再度地面へ沈めると、疑問を口にする
「船長サン、お〜待たせしましたァ」
「『!』」
「…遅いぞフィーロ」
間延びした声を響かせ、シルクハットを被った紳士が背後から現れる
「いやァ、仕込みに時間がかかっちゃいましテ…ここからはイリュージョニストのお時間、という事でよろしいでス?」
「いいだろう、だがそこの麦わらはおれがやる」
「かっしこまりましたァ!!デハ、お嬢さんはこちらへどうゾっ!」
フィーロと呼ばれた男がパチンと指を鳴らすと、ルビィの足元に突然大砲が出現し、吸い込まれる様に大砲にフィットしてしまう
『!?』
「人間花火!!お楽しみくだサイ!!!」
掛け声と共にドンッという衝撃と浮遊感がルビィを襲う
数秒後には全身を硬い何かに衝突させながら、飛んでいる、というのだけ理解する事ができた
漸く止まった時には状況を判断する間も無く視界がブラックアウトしていった
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作者名:葬儀屋 | 作者ホームページ:http://nanos.jp/abysswalk/
作成日時:2018年6月25日 16時