白雪姫奮闘記 Ⅱ (ページ6)

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"格" ページ6

斬撃を横に倒れる様にして躱す
倒れた際の衝撃で更に血がドクドクと溢れ出す
短く荒い呼吸を肩を揺らしながら数度繰り返すと、喘鳴の混ざる声を絞り出す
「もういい…疲れた…」
「！？疲れた？…くくくくくくく、さすがに貧血ぎみか？
とうとう勝負を諦めたな！まァ当然と言えば当然…！！むしろその深手でよく今まで立っていられたと…」
カバジの耳障りな評価は最後まで続かず、いつの間にか立ち上がったゾロによって一輪車を蹴倒され、地面へ転がされる
「く……！！！！」
転がるカバジをゾロが見下ろし、鬼の様な目で睨む
「お前の下らねェ曲技につきあうのが、疲れたって言ったんだ！！」
その剣幕にカバジが一瞬たじろいだが、剣を掴み直し、ゾロに斬りかかっていく
「……！！ならばこの辺でとどめを刺してやろうか！！おれの本物の剣技で！！！」
向かってくるカバジに対し、ゾロが体勢を低く刀を構えると、左足で踏み切り、一瞬で相手の懐へ飛び込む

「鬼…斬り！！！！」

双子の表情が満足気な笑みに変わる
バギーが歯を食いしばり、苦しげに部下の名を呼ぶ
ゾロの勝利だ
「くそ…！！我々バギー一味がコソ泥ごときに…！！ここまで…！！」
憎々し気に絞り出されたその言葉を最後に、糸の切れたマリオネットの様にカバジが崩れ落ちる
「コソ泥じゃねェ、海賊だ！！」
カバジの言葉を否定しながらフラフラと歩くゾロ
手ぬぐいを手に取り脱ぐと同時にドサリ、と前のめりに倒れる
「ルフィ、ルビィ……おれは寝るぞ」
そう言うと、顔だけこちらへ向けさっさと目を閉じてしまう
「おう寝てろ、あとはおれ達がやる」
ルフィの言葉ももう聞こえていないのだろう、返事の代わりに寝息が返ってくる

「てめェら……海賊だと！！？」
今までずっとコソ泥だと思われていたのだろう
バギーの疑う様な馬鹿にする様な言い方に少しカチンときたルビィは、その問いに肯定する
『そうだ！』
「"偉大なる航路(グランドライン)"の海図をよこせ！！」
食ってかかる双子の様子に、バギーは合点のいった表情をした
「狙いはそれか…あの場所は名もない海賊がやすやすと通れる甘えた航路じゃねェぞ」
『なんだ心配してくれてたのか、バギーって良い奴だったんだね』
「あァそうなんだ、おれはお前らの事が心配で心配で…ってんなわけあるか！！このハデアホがァッ！！！
……とにかく！てめェらなんぞが"偉大なる航路(グランドライン)"へ入って何をする！！！観光旅行でもするつもりか！！！？」