白雪姫奮闘記 Ⅱ (ページ5)

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"格" ページ5

「ああ…！見てるだけで倒れそう」
「『いけっゾロ！！』」

「おれは、この先剣士と名乗る野郎には、たった1度でも敗ける訳にはいかねェんだ！！」
距離をとり、対峙するとお互いに得物を構える
「成程…強い志の成せる業か…だがまァ安心しろ、それだけの重傷で相手がおれとあっちゃあ、敗けの言い訳には充分だ」
「……逆だ！！
これくらいの傷でてめェごときに敗けたとあっちゃあ、おれのこの先が思いやられるよ…！！」
「……！！てめェ…！！！」

「聞いて！」
「『ん？』」
ゾロの戦いの最中、泥棒の顔をしたナミが双子の肩にポンっと手を置く
瓦礫の山を親指で指すと、後ろの小屋に宝が保管されているのだと言う
バギー一味が伸びている隙に、奴らの宝を頂戴するつもりらしい
「あんた達がこの戦いに勝とうが負けようが、私には関係ないからね！
ただし！バギーからうまく海図を奪えたら、その時はあらためて手を組みましょう！」
海賊嫌いのナミからの思わぬ提案に、ルビィの顔が綻ぶ
まだ見ぬお宝に心躍らせながら、健闘を祈るわ！とナミが路地裏へと消える
「おお、『ありがとう』」

浮き立つ心を抑えられない様子の、スキップをしそうなナミを見送るとゾロに視線を戻す
倒れた一輪車のサドルを蹴り上げ器用に乗ると、漕いで勢いをつけながら大量の駒を投げてくるカバジ
一方、ゾロは敵を見据え、動かず迎え撃つ姿勢をとる
無数の駒を刀を使って叩き落す
ゾロの注意が駒へ向いている隙に、カバジは一輪車で壁を登り、屋根から高く飛び上がる
ゾロは勿論、ルフィとルビィもカバジを追って上を見上げる
「うわっ高ェ！！」
『一輪車すごいな…』
空中で剣を逆手に持ち変えると切っ先を地面へ向け、ゾロの脳天に狙いを定める
「"一輪刺し"！！！」
『……一輪車だけに…？』
ルビィのよく分からない呟きは誰にも拾われることなく、空中に霧散した
カバジの攻撃を見極めようと頭上を注視するゾロに向かって、バギーが手を放つ
「カバジッ！！おれが抑えるゾロを仕留めろ！！！」
「御意」
「てめェら…！！！」
上からも横からも迫るそれに、ゾロが焦りを浮かべる
しかし、バギーの手はゾロに届くことはなく、代わりにバギーの絶叫が辺りに反響する
「ルフィ！」
ルフィがバギーの手を踏み潰していた
「ゾロの野望(たたかい)に手ェ出すな！！！！」
「てめェ…」
『参謀も汚いけど船長も汚いな』
「へっ…」
ニヤリと口角を上げ、ゾロが短く笑う
直後にカバジの斬撃がゾロを襲う