白雪姫奮闘記 Ⅱ (ページ19)

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"あんたが珍獣" ページ19

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『着いた！』
「何もねェ島だなァ！！森だけか？」
「だから言ったのに無人島だって、仲間探すのにこんなとこ来てどうすんのよ」
一行が到着したのは何もない無人島
目の前には森が広がり、鬱蒼としている
「おいゾロおりて来いよ！」
ルフィが船に向かって声を掛けるも、返ってきたのは鼾のみ
『寝てるね』
「寝かしといてあげなさいよ、あれでもケガ人なのよ？」
『じゃあ私も残るよ』
「来ねェのか？」
『あれでもケガ人のゾロ1人置いて行くのはちょっと心配だし』
「そりゃそうだな、よし行ってくる！」
「どこによ！……ちょっと待ってよ！！」

ギャアギャアと騒ぎながら森の奥へと消える2つの背中を見送ると、ゾロの向かいに腰を下ろす
「良かったのか？」
『ん？何が？』
起こしてしまったのか、起きていたのか、目を開けたゾロがルビィに問いかける
「あいつらに着いて行かなくて」
『ゾロ君1人じゃ寂しいっしょ？』
「…バカにしてんのか？」
『冗談だよ』
凄むゾロに、肩を竦めて答える
『そろそろ包帯替えなきゃと思ってね、それに誰もいないって気づいたゾロが寂しくて歩き回って迷子になっちゃったら困るし』
「やっぱりバカにしてんだろ」
今度は額に青筋を浮かべて凄むゾロ
ルビィはケラケラと笑うと、ゾロの腹巻を捲り上げ、包帯を解いていく
町長から貰ったガーゼに替え、新しい包帯で丁寧に固定する
『はい！出来上がり！』
白い包帯に満足げに頷くと腹巻を元に戻してやる
ぶっきらぼうな礼を貰い、ゾロと同じく自分も横になる
2人揃って寝る体勢になると早々にゾロから鼾が聞こえてくる

結局、ゾロの鼾がうるさく、ルフィ達が帰って来るまで眠れなかった