白雪姫奮闘記 Ⅱ (ページ14)

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"町" ページ14

フィーロとの戦いを勝利で収めたルビィは、自分が飛ばされてきたであろう跡を辿っていた
着ていた服は土埃や自身の血、焼けて焦げてしまったり、海水を掛けられたりで汚れていた為、無人の服屋で着替える羽目になってしまった
因みに盗んではいない
ちゃんとお金を払った
フィーロが
財布を拝借する際、手が滑ってフィーロを身ぐるみ剥いでしまったので彼の分の服も購入し、着せ替えておいた
ちょうど近くに、大砲で半壊状態のロリータショップがあったので、復旧と謝罪の意味を込めて財布ごとお店にお支払い
どんなドレスを着せてあげたかは想像にお任せしよう
良い事をした後は気分も良いのか、ルビィは鼻歌交じりで町を歩く

瓦礫の町をテクテクと歩いていると遠目に、バギーらしき顔の、小さいおっさんが海の彼方へ飛んでいく
ルフィ達が勝った様だ
『ルフィ！』
「おおっ！ルビィ！！無事だったんだな！！」
『うん、ルフィは怪我してない？』
「ああ！…でも帽子がよ」
『帽子がどうかしたの……穴空いてるじゃん』
双子は顔を見合わせ、帽子に目を落とす
戦闘に巻き込まれてしまったのか、ルフィの麦わら帽子に3つの切創がついていた
ルフィにとって大切なものはルビィにとっても大切な物だ
しかし、双子はこの傷を塞ぐ術を持ち合わせていない

「……そんなに大切なの？その帽子…」
双子が帽子を目の前に立ち尽くしていると、宣言通りバギーから奪った宝の袋を、2つに分けたナミが双子に尋ねる
「ああ、でもまあいいや！まだかぶれるし！バギーもぶっ飛ばしたから気は済んだ！！」
そう言うとルフィは、穴の空いた麦わら帽子を目元まで深く被りなおす

『……』
「…後で直したげる」
顔に出ていたのだろう、変な顔でルフィを見つめるルビィにナミがコソッと耳打ちする
『え？』
「大事なものなんでしょ？」
『……ナミ…！！ありがとう！！』
ナミの申し出に礼を述べると、スキップしながらルフィの後を追う
「ちょっと！私のお宝！！待ちなさい！！」
ナミのお宝袋を1つ担いで
『重いんでしょ？運ぶよ！』
「……しっかり持ってなさいよ」
『う、うん、わかりました』
じっとりと睨む様に見つめるナミに、ルビィは冷や汗を流し、答える
その迫力に後悔し始めるが、しっかりと持っている、と約束したからには果たさなければならない
ーナミ、怖い！目が怖かった！！