白雪姫奮闘記 Ⅱ (ページ12)

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※反撃ページ12

今度は巨大なハンマーを帽子から取り出し、振りかぶってくるフィーロ
「解体ショーは辞めだァァ！！てめェはミンチだ！！ミンチにして食ってやるよォォォ！！！」
『それは痛そうだ』
海水に濡れ、能力も使えない今、あんなハンマー食らったらひとたまりもない
怠い身体に鞭を打ち足を立たせ、転がるようにして落ちてくるハンマーを避ける
身体を引きずるようにして走り、風である程度乾かす
ハンマーの風圧の助けもあり、すぐ乾きそう

「ちょこまかと…逃げんじゃ、ねェ！！！！」
『！』
振り下ろされたハンマーを避けきれず足に直撃する
『うっ、ふっ、ぐゥーーーッ！！！！』
久し振りの骨が砕ける感覚に口から絶叫が漏れ出す
砕けたそばから治っているが、その速度は遅い
足を止めた私をフィーロがここぞとばかりにハンマーで殴ってくる
ーやばっ！
腕で頭を護りながら、まだ戻りきらない能力で内臓に損傷を負わないようガードを固める
「この！！クソが！！！くたばりやがれ！！！！」
『っ、ーッ！！ガッ！！』

どれくらいの間そうしていたのか
海水で濡れた身体は天気の良さと砂と風圧で大体乾いていた
ハンマーの雨が止み、目をうっすらと開けて周りを確認する
完全に戻った能力が私の全身の骨を修復していく
少し中を傷付けてしまったのか口の端から血液が伝い、地面に落ちる
「せっかくの解体のチャンスが…！イヤイヤ、ミンチも楽しかったじゃないか…！でも解体…！！」
背を向けてブツブツと頭を抱えては喜び、また頭を抱えるフィーロが見える
私は死んだものだと思われているみたいだ
1番損傷の激しかった足の回復を待って身体を地面に横たえたままにする
ー久々に痛かった
こんな奴にここまで良いようにされてしまったことに腹が立つ
海水は予想外だったとは言え、これではこの先が思いやられる

怒りで悶々としている間に足が完全に回復する
フラフラと立ち上がり、首をコキリと鳴らし具合を確かめる
ーうん、大丈夫
口からペッと血を吐き捨て、口元を拭う
その音で気がついたのかフィーロが私を恐る恐る振り返る
「てめェ…死んだはずじゃ…」
『死んだかどうかはちゃんと確認しなきゃダメじゃん？私、骨を砕かれたくらいじゃ死なないよ？』
「怪力の能力者じゃなかったのか！？」
『怪力？』
どうやら私の能力を勘違いしてたらしい
聞かれたところで教える気は全くないので、さっさと彼には沈んでもらうことにする
『何を勘違いしてるのかは知らないけど、そろそろ終わりにしよ』