喰らう稚魚【アリア・リッチ】 ページ7
アリアが産まれた時の話。ちょっと残酷さもありますので、苦手な方はお控えください。アリアのお父さんもチラッと出てきます。
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外側から見る海は青に澄んでいる。しかし、実際その海の中は暗闇で何も見えない。そんな中、人魚として産まれた。そして、生き残りをかけた戦いも既に始まっていた。産まれたばかりの稚魚達は、食べ物を取り合うのが当然であるが、魚を掴まれる力などまだない。それは何を意味しているかと言うと、自分たちが食べられる可能性を秘めている。
お互いの尾ビレと尾ビレでぶつけ合う。同じくらいの力同士なのだ。どっちが勝とうかなど、分からないはずだがアリアは違った。全ては頭の使いよう。弱ったところを喰らおうとひている。岩場に隠れて他の稚魚、簡単に説明すればアリアの兄や弟、姉、妹にあたる稚魚達が、必死に戦っているのを見ているのだ。そんなことをしていては、体力の無駄遣いだ。産まれたばかりなのに、既に備わっているように見える知識。しかし、アリアは本能でやっているだけである。
大分、稚魚達の勢いが無くなってきた。これはいい機会だと思い、思いきり飛び出した。そして、アリアの綺麗な瞳が暗い海の中光る。獲物は逃さないと言わんばかりに喰らいついた。悲鳴と痛みで悶絶する稚魚達は、逃げる力など既に失っている。ここは既にアリアの世界。アリアに食べられる世界なのだ。
「美味しいです……もっと、食べたいです」
ちらっと見ると、まだ稚魚がわんさかいる。アリアは笑いながら稚魚達を追い回す。勿論一人残らず逃がす気などない。お腹が空いているのに、そんな我慢なんて出来る訳がないのだ。気づいたらもう誰もいない。アリア一人だけが生きていた。
「おや、もう誰もいないんですか？ちょっと寂しいです」
沢山食べたアリアの中に、人魚の肉が詰まっている。それは、憎しみが詰まったものなのか、悲しみが詰まっているのか。
「もう、終わったのか？」
「……？」
頭を撫でて貰えた。どうやら、家族として生き残れるかを試されていたらしい。稚魚なのに知能レベルも高めなのは、母親の血が混ざっていて尚かつ残酷な本能を持つのは父親から受け継がれていたようだ。
「弱肉強食の世界だ。もしかしたらすぐに他の奴らに喰われるかもしれん。気をつけろ」
「はい、わかりました」
父親はアリアを認める。同じくらい強いとわかれば、もう言うことはないだろう。
「強さだけが全て」と最初に覚えたのだ。
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IDee(プロフ) - 開さん» お久し振りです、旧流離いのsecretで主催の者です！ ボードのメッセージ機能にて送信させて頂きますね。 (2022年3月14日 17時) (
レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
開(プロフ) - すいません、、久々に更新しようとしたらパスワードを忘れてしまったので教えてくれる方居ませんか、、 (2022年3月13日 21時) (レス) id: 62c5ad2de3 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新完了しました！ひとまずこれにてフロウのお話は完結です (2021年4月9日 23時) (レス) id: 4a22970169 (このIDを非表示/違反報告)
鮭鍋eVent(プロフ) - キューブさん» うちの子が出ている！ ありがとうございます！ うわぁ…ありがとうございます…。お話も凄く良いです…。 (2021年3月21日 11時) (レス) id: 1d274a3409 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - キューブさん» 更新お疲れ様です！ 参加者様の沢山のキャラを書かれていて、相手方のキャラも大切になさっている事が良く分かって嬉しくなりました！ 兄弟お二人のすれ違いがしんどい…… もっと読みたくなってしまうような、素敵なお話です！ (2021年3月21日 11時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
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