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「それなら、私が医務室に置いてきましょう」
ハンナさんは僕の手を煩わせないように、と言って薬草を仕舞うのを申し出て下さった。
「いえ、僕はすぐ大聖堂本館に戻りますので、その際に立ち寄る事にします」
僕が申し出を断ればハンナさんは頷いて、
「……なるほど。では、私は訓練がありますので」
「ああ、引き止めてしまい申し訳ありません。それでは僕もそろそろ戻ることにしましょう」
少しの間彼らの剣技を観覧していこうかと思っていたのだが、こう言ってしまった手前、ここに長居するわけにもいかないだろう。
僕は踵を返し、医務室に立ち寄った。
清潔な雰囲気の医務室には、誰一人居なかった。これは想定外だった。
薬草を持ってきたのは良いものの、薬類の入っている棚や医療箱は数あるわけで、僕はこの薬草を何処に入れるべきか分からなかった。
ひとまず目に付きやすい机に書き置きと共に置くのが最善だと判断した僕は、そのへんにあったメモ帳とペンを借りて「有用にお使い下さい」と書き始めたところで、背後の医務室の扉が開かれる音に気が付いた。
「…………！？」
振り替えれば、先程目にした悪魔族の騎士が何故か驚いたように固まって立ち竦んでいた。
「おはようございます。貴方は……」
僕は頭の中にある名簿を捲って彼の顔を頼りに名前を探す。
「アイゼン・シェルヴィーさん、でしたね」
「………っ、はい」
僕が微笑めば、彼は視線を逸らして焦ったように返事をした。
もしかして、間違えたか。
「違いましたか？」
「い、いえ。そんなことは」
当たっていたようだ。
それなら何故彼はあんなにきまりの悪そうな表情をしているのか。
彼を少し観察していると、ふと彼が手首を気にしているような仕草に気が付いた。
「もしかして手首を捻られたのですか？」
「そう……っす」
「捻挫でしょうか。でしたら早く冷やす事が先決ですね」
僕は幸運にも氷嚢を見付けそれに氷水を入れて、彼の痛そうな手を取り冷やしてやる。
「先程、薬草を持ってきたのですが、あれは塗り薬にする物なので、この場合は使えませんね。即効性のあるものだと聞いたので、貴方に使って差し上げたいのですけれど」
僕がそう言うと彼は、
「……奇跡だ」
ポツリとそう呟いた。
†・†・†
悪魔族騎士は、私が先日キャラメイクしました新キャラくんです！
お友達、恋人、色々募集ですので、もし宜しければお声がけ下さい。
フィオナとフロウ【フロウ・ラグランジュ】→←奇跡なんてものは【ジゼラ・ヘルファム】
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IDee(プロフ) - 開さん» お久し振りです、旧流離いのsecretで主催の者です！ ボードのメッセージ機能にて送信させて頂きますね。 (2022年3月14日 17時) (
レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
開(プロフ) - すいません、、久々に更新しようとしたらパスワードを忘れてしまったので教えてくれる方居ませんか、、 (2022年3月13日 21時) (レス) id: 62c5ad2de3 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - 更新完了しました！ひとまずこれにてフロウのお話は完結です (2021年4月9日 23時) (レス) id: 4a22970169 (このIDを非表示/違反報告)
鮭鍋eVent(プロフ) - キューブさん» うちの子が出ている！ ありがとうございます！ うわぁ…ありがとうございます…。お話も凄く良いです…。 (2021年3月21日 11時) (レス) id: 1d274a3409 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - キューブさん» 更新お疲れ様です！ 参加者様の沢山のキャラを書かれていて、相手方のキャラも大切になさっている事が良く分かって嬉しくなりました！ 兄弟お二人のすれ違いがしんどい…… もっと読みたくなってしまうような、素敵なお話です！ (2021年3月21日 11時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
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