優雅なディナー【クワイヤ・スカーレット】 ページ16
人間とか、そうでない者達でも、食事は好きだと思うの。
ジューシーで肉汁の滴るようなステーキだとか、食べると口の中でふわふわと溶けちゃうケーキだとか、そういう、美味しいものを食べる事が嫌いな人なんて、いないんじゃないのかしら。
私もそうよ。美味しいものは大好き。ただ、普通の人達とはちょっと違うものを、ちょっと違う食べ方で食べているんだけどね。
地下五階の闘技場、その地面に根を張る。石畳をめくってしまわないように、細い細い根を隙間に張り巡らせて。端から見れば、ただ私が血の海の中で佇んでいるだけでしょう。けれど、これが私の食事なのよ。
石畳に染み込んだ血液が根から私の中に入ってくる。なんて心地良いのかしら！本当であれば死体の肉に直接根を張って吸い付きたいところではあるけれど、これはこれでなかなか乙なものね。
「うげ、クワイヤやん。まーた来たん？」
「あら、失礼ですわねラール。レディの食事を覗くだなんて」
ここの清掃に来たラールが、私を見て嫌な顔をする。いわく、私の香りがきつすぎて酔ってしまうのだとか。失礼ね。これほどまでに素敵な薔薇の香りはないというのに。
「血なら六階でめっちゃ吸ってるやん。ここで吸う必要ないやろ」
「それはそれ、これはこれ。よろしいじゃないの、ここの血、なかなか美味でしてよ」
ええ。ここに染み込む血液、本当に美味しいの。
だって、分かるんだもの。この血液の持ち主が必死に生きようとした事が。汗とか、糞尿だとか、涙だとか、胃液だとか、精だとか、身体中の体液っていう体液をぶちまけてまで生きようとしたって事が。
それらの体液が絶妙に混じり合って、この独特な風味を醸し出すのでしょうね。彼らの絶望、とても美味しいわよ。
私は大好きなのよ。誰かが苦しみ抜いて死ぬその姿がね。確かに、六階で飲む血も美味しいわよ。けれどね、ここの血は格別なの。何もかも投げ出して、ひたすらに生き抜こうと足掻いて。そしてそのまま、報われる事もなく食べられるのよ。ああ、考えるだけでどきどきするわね！
お分かりいただけて？そう私はにっこり笑ってみせる。
「めっちゃばっちぃやん近寄らんとこ」
「折角語ってさしあげた感想がそれぇ？」
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開(プロフ) - いろいろな作品更新されたあとありますがPCが重くて間違えて触ってしまい更新された状態になってしまいました申し訳ないです、、一応触ってしまっただけなのでみなさまの文章に言葉が欠ける、増えるなどは無いです申し訳ありません (2022年3月21日 7時) (
レス) id: 62c5ad2de3 (このIDを非表示/違反報告)
理紗@プロフ一部更新(プロフ) - 作者様を巻き込みたくないので出来れば他の作者のCSSに変えた方が良いと思います (2021年3月3日 2時) (レス) id: c9fefc2be8 (このIDを非表示/違反報告)
理紗@プロフ一部更新(プロフ) - 初めまして、コメント失礼します。私のCSSを変えていただけないでしょうか？どうやら再配布禁止の画像を使っていたので申し訳ないですが。大変ご迷惑をかけしました。全部が違反した分けではないのですが保証も出来ないのでよろしくお願いします。 (2021年3月3日 2時) (レス) id: c9fefc2be8 (このIDを非表示/違反報告)
流離いのsecret(プロフ) - Melcheさん» 更新お疲れ様でした！ シャルルさんとテレーゼさんは前からのお知り合いだったんですね。それにしても、シャルルさん視点のお話、面白いですよね笑 軽快な書き方がとても好きです！ (2021年2月22日 23時) (レス) id: af1699faf6 (このIDを非表示/違反報告)
Melche(プロフ) - 更新終わりました！最後のオチが上手くいかなすぎて泣きそうになりました（） (2021年2月21日 20時) (レス) id: 10c523e9ad (このIDを非表示/違反報告)
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