【募集企画】大聖堂の地下階層【本編】

愚痴【ボウトン･ニュアジュー】 ページ43

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バーに2人の男性の声が響く。その声は少しイラついていた。


「いや、それはよく分かる」


「だろ？やっぱボウトンとは気が合うな」


そう言う彼の名はアーベル･ケーフィー。この2人はよく酒を呑み愚痴などを聞いたり言ったりしている。アーベルは看守でいつも大変らしい。まぁ、俺も諜報員で色々と大変なんだけどな。


「それで・・・」


〜数十分後〜


「・・・あ、もうそろそろいい時間だな。ありがとうな、愚痴聞いてくれて」


「あぁ、私の方もありがとう」


「互いに大変だな。たまに吐き出さないとキャパオーバーするし」


「まあな。役目があるってのはこういうことなんだろうな」


「分かる・・・この後は？どうするんだ？」


「夜間の見回りだな。ボウトンは？」


「俺は明日諜報行くから、その資料とか見るかな」


「そうか・・・頑張れよ」


「アーベルもな」


そう言い別れる。はぁー、暫くここには戻って来れないか。それでも異教徒のことを知っとかないと面倒くさいからな。


「役目、ね・・・」


ふとある考えが頭をよぎる。

俺の役目はなんなんだ？

俺は本当に必要とされているのか？

ボウトンは頭を抱える。考えれば考えるほど分からなくなる。酒のせいでもあるかもしれない・・・もうこれ以上考えるのはやめよう、明日に響く。


「よーし、頑張ろう。頑張れば・・・」


資料を確認して、荷物を用意して、そのまま寝る。
明日は何もありませんように・・・


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