寮母と水泳部 (ページ43)

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4３話ページ43

あれから数日

いよいよ地方大会

私も応援に来てます

「Aさん。飲み物どうぞ」

『ありがとう。御子柴君。それにしても結構多いわね。』

「ああ。そういえばAさんは今年初めてくるんでしたっけ？」

『そうなの。いつもこの時期学校の関係で行くことできなかったんだけど今回はずれ込んで来週あたりになったの。だから楽しみ！』

「俺たちの泳ぎ見ていてくださいね！」

「基準タイムクリアしてみせます！！」

『楽しみにしているね！！』

麦わら帽子をかぶりベンチに座っていた

レギュラー以外の子たちと一緒に応援する

『あ、次凛君が出るね！あれ？ハルと一緒だ』

隣同士らしい

審査員の人の合図で一斉にスタートをする

結果は・・・凛君の勝ち

「やりましたね！！」

『うん』

でもハルは負けてしまった

この複雑な気持ち・・・

凛君が勝ったのはうれしいけどハルのあの表情・・・

落ち込んでいなきゃいいけど

とりあえず凛君のいるところへ行く

『凛君！』

「A姉」

凛君に駆け寄りおめでとうという

「ありがとう・・・」

『？？どうしたの？』

「・・・ハルには勝ったがなにか物足りないんだ」

『物足りない？』

「・・・なんだろうな」

足りないもの・・・・

『・・・それは凛君自身が気づかないといけないこと。私からは今は言えない』

「わかったのか？」

『なんとなくね？でも凛君が素直な気持ちになれば自ずとわかるよ』

「素直な気持ち・・・」

『ほら行こう？みんなが待ってるから』

凛君に手を差し伸べる

その手を取り手をつないでみんなのところに向かう

案の定みんなにからかわれた

その日の夜夕飯の片づけをしていると御子柴君がこちらにきた

「Aさん。少しいいですか？」

御子柴君はなにか悩んでいるようだった

『どうしたの？』

「実は松岡のことでちょっと・・・」

私はノンカフェインの紅茶を出し、テーブルに腰を掛けた

「あいつ今のチームより昔の仲間、岩鳶のやつらに執着していてこのチームの事をなにも考えていないみたいに見えて・・・俺はこの最高の仲間と最高のチームで全国に行きたいんです。リレーには松岡もレギュラーで入ってますがあいつがこのチームよりあっちのチームの事が気になるようで少しもやもやしていて。」

凛君は確かにハルたちに執着しすぎている気がする
泳いでいるときや似鳥君たちと話しているときもどこか距離を感じるときがある