休日デート ページ25
「おはようございます」
「そんなかしこまらんでもええよ」
土曜日の昼間、私は何故か濱田さんと一緒にいた。
「ごめんな、休みの日やのにわざわざ」
「いえ、でも珍しいですね」
休みの日にこんな風に呼び出されるのは初めてじゃない。部長にも、同じように呼び出されたことがあるから。
「ほんまやな、今日もほんとは淳太が言うてたんやけど」
「そうなんですね」
「仕事入ったから代わりに俺がって、やっぱり淳太の方がよかった?」
「あ、いや。濱田さんとも新鮮で楽しいですよ」
「ならよかった。じゃあ、もう行こか」
「はい、今日はどこに行くんですか?」
部長は休みの日もスーツを着てるからいつもと変わらないけど、濱田さんは私服で来るんだなって考えながら、隣を歩く。
「そろそろサポートの二人が戻るからプレゼント買おうかなって。俺あんまりセンスないから早瀬さんが選んでな」
「あー、なるほど。分かりました」
本当に新鮮だな。これじゃ仕事じゃなくてデートしてるみたいだし。
「あ、その前に何か食べる?」
マイペースな濱田さんといると、自然と笑顔になる自分がいる。
「濱田さんのおすすめあります?」
「うん、任せて。うまいとこは結構知ってるから」
目を輝かせて楽しそうに話すから、余計にそう思うんだろう。
「おいしい、濱田さんってほんとに女子が好きですよね」
「研究はしてるからな、モテるように」
こんなにも包み隠さずにモテるための努力を話す男の人って、きっと濱田さん以外いないと思う。
「ご飯食べたら、選びに行きましょうね」
「そうやな」
ゆっくりとご飯を食べて、お腹も満たされた頃、今度は釣り道具店に向かう濱田さん。あれ、さっきプレゼント選ぶって言ってなかったっけ。
「あ、神山くんには釣り道具買おうと思ってん。早瀬さんは藤井くんの選んで」
あぁ、そういうことか。でも何で神山くんのは釣り道具?
「淳太が言うには最近神山くん釣りにはまってるらしくて、喜ぶやろうって」
「部長が言ってたんですか?」
「そうそう、藤井くんは早瀬さん仲いいし、選びやすいやろとも言ってたで」
「いや、私も藤井くんのことそこまで詳しいわけじゃないんですけど…」
「まあ、オシャレなものあげたらええんちゃうかな。早瀬さんからやったら何でも喜ぶやろ?」
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作者名:七月雪 | 作成日時:2018年3月17日 21時