Una rosa roja - SHO - 2 (ページ43)

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廉「言わんよ、俺からは。」

想像に反して、廉くんは冷静にそう呟く。

廉「そんな優しい奴じゃないねん、俺。

Aの気持ち全部知ってて、

その上で離さんかったんやから。

付き合う時、

人と付き合う幸せを教えあげるって言ったけど

俺と一緒に居ても
それを叶えてあげられんって気づいてた。

でも、黙ってたんや。

自分の気持ち優先して、

Aの幸せは棚に上げてた。

最低なやつや。

だから、言わんよ。

言わん限りAは俺の横におるやろ？」

スラスラ出てくる言葉と反して

震える声と潤んでくる彼の瞳。

返す言葉がひとつも見つからなかった。

こんな風に廉くんを狂わせたのは、

すべて私が原因だ。

私があの時孤独に耐えられていたら、

彼の優しさに甘えなかったら、

廉くんを心から好きになれてたら。

自分が周りを不幸にしてしまう人間だと

忘れていなかったら。

後悔と申し訳なさとが溢れて

彼と交わっていた視線を逸らしてしまった。

俯く私とは対照的に
廉くんは静かに言葉を続ける。

廉「だから、

Aが言わなきゃ。

'終わりにしよう'って。」