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「紫耀！」
紫「なに？」
「わたし、ずっと隠してた事があるの。」
紫「隠してた？何を？」
「あのね、私
本当は紫耀のこと、、」
" スキ "
バッと布団から起き上がって
現実の世界に戻った。
なんて都合のいい夢を見てるんだ、俺。
目が醒めると同時に
夢の君が呟いた二文字が
現実になることはきっと無いのに。
時計を見ると
太い針が10を指していて
紫「やべっ。
海人、11時に迎えに来るって言ってたよな。」
もう朝御飯とは呼べないパンを食べて
身支度をする。
海人に
お洒落な服装でって言われて
真っ先に手に取ったのは
派手じゃ無いけど
落ち着いた深紅のシャツ。
その上に黒いジャケットを羽織って
服装に似合うように前髪を上げた。
人混みは好きじゃ無いけど
海人の誕生日だから
仕方ない。
でも、
最近の海人はちょっと不思議。
海「Aちゃん来るって。
よかったね、ドレス見れるじゃん！」
この言葉を向けた先は
俺か、廉か。
もしくは両方？
あの日から、
海人が何をしたいのか分からない。
俺と廉と3人でいる時に
彼女の名前をよく出すようになった。
紫「え、一人で？」
廉「いや、俺が一緒に行く。」
紫「あ、そっか。
そりゃ、そーだよな。」
ほら、雰囲気が悪くなった。
3人でいる時間は
心地いいけど
どこか、辛い。
ああ、
あの頃に戻りたい。
俺らの間に壁なんてなくて
そして、
隣に
Aがいた頃に。
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作者名：Kipi
| 作成日時：2019年1月14日 4時
