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未央ちゃんから
急にラインが来て、
未央平野くん!やばい!
未央Aがカラオケから居なくなった、、
未央知らない男子に騙されて、ついてっちゃったのかも!!!ごめん!事情は後で説明する!
未央駅前近くのカラオケ店だから、出来たら一緒に探して!
どういうこと？
そう思うけど、
俺は頭がよくないから
とにかく走って
彼女を見つけ出すことしかできない。
「やめて！！」
これは、
彼女の声だ。
懸命に声がする方へ駆ける。
角を曲がると
君の姿。
でも、なんで
廉と一緒にいるの？
「知ってるから、そんなこと！」
廉が彼女に何を言ったかはわからない。
ただ、
彼女は俯いて
今にも泣きそうな顔で
廉に叫んでいた。
Aがあんなに怒るとこ、
初めて見た。
彼女は
感情を表に出すのが得意じゃない。
俺だって
君に心を開いてもらうまで
何年もかかったのに。
なのに、
紫「廉はいいの？」
俺が知らない君の表情を、
廉には見せるの？
俺の心の
黒いドロドロした渦が巻き上がる。
紫「廉、Aに何した？」
怒りと嫉妬が混ざった声。
ひどく険しいであろう俺の顔を見て
廉が少し驚いている。
廉のことは好きだけど、
Aを俺から奪おうとするのなら
それは別の話だ。
突然
後ろから聞こえたのは、
人がバタンと倒れる
嫌な音。
振り向くと
君は地面に身体を預けていた。
廉「過呼吸、やな、、」
すぐに彼女のことを分析してしまう
廉の賢さが
今は憎い。
彼女のことは、
何でも俺が一番がいい。
彼女の事を一番知ってるのは
いつも俺であってほしい。
いつか、
彼女を手離さなきゃいけない。
頭ではそう分かっていても
溢れ出る独占欲は止められない。
だから
Aを抱えて走り出すとき、
俺はわざと、廉を見なかった。
俺とAには
二人だけの世界がある。
誰も入ってなんか来れないんだ。
みんな、そう思ってしまえばいい。
二人だけの世界。
俺が一番欲しいもの。
だって、そしたら
君の運命の人は
俺しかいないでしょ？
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作者名：Kipi
| 作成日時：2019年1月14日 4時
