Una rosa roja - SHO - 2 (ページ16)

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マンションのロビーに立って、

ドレスに着替えた彼女を待つ。

未「『廉くんに褒めてもらえるといいなあ。』

ってA言ってたから、

ちゃんと可愛いって言ってあげなよ！」

前日、学校の廊下ですれ違った

Aの親友にそう言われた。

思い出すと、

自然と口角が緩む。

彼女が、

俺のことを考えながら

選んでくれたドレスを着る。

そんな些細なことが

俺にはとてつもなく嬉しいことで、

胸がいつもより速く波打つ。

「廉くん。」

君の声がする。

振り返れば、君がいる。

「待たせてごめんね。」

これは、

予想外の事態だ。

何も言わない俺に、

「似合って、ない？」

そう言う君。

答えたいのに、言葉が喉に詰まる。

だって、

彼女が着ているドレスの色が

深紅に染まっていた。