Una rosa roja - SHO - 2 (ページ15)

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「A。」

そう呼ぶと、

笑顔で振り返ってくれるのは俺の彼女。

高校2年の秋、

俺は

君を手に入れた。

同じクラスになった俺らは

知り合いから

友達になって

友達から

仲のいい男女になって

そして

恋人になった。

廉「離れたくなったら

いつでも離れてええんからな。」

少しの間だけでも

彼女と時間を共有できるなら

それでいいと思った。

そんな俺の想いとは裏腹に

君は

俺を好きになろうと努力をする。

「廉くん、一緒に帰ろ！」

「廉くん、今度一緒に水族館行きたい。」

そうやって

俺の心をどんどん惹きつける君は

とてもずるい。

でも、

そのずるささえも

好きだと思った。

このままだと、

君を手放せなくなりそうで怖い。

ただ、

Aは時々

ぼーっと一点を見つめて

切なそうな顔をする。

視線の先にいるのは

いつもアイツ。

君が好きだから

君の視線の先にも気づいてしまった。

でも、彼女は

無意識に彼を見つめる癖があるなんて

自覚していないらしい。

それなら、

このままでいい。

彼女と一緒にいれるのなら、

自分の心の痛みくらい犠牲にしよう。

もともと、

その覚悟の上で

彼女に付き合うことを提案したのだから。

彼女が俺を求め続ける限りは、

俺がずっと隣で

君を、

笑顔にしよう。