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お盆に乗せた
湯気がまだ立っているうどんを
未央が置いた横に置く。
紫「Aはこっち。」
そう言って紫耀は隣の椅子を引く。
紫耀はこんな時も彼女扱いをしてくれるのか。
優しすぎるなあ。
引かれた椅子に腰掛けると
必然的に向かい合う席になった廉くんと
バチっと目が合う。
廉「俺、今日パス。」
そういって
机に置いていたパンを握って席を立った。
海「えー、どうしたんだよ。」
廉「課題。やるの忘れとった。」
ああ、未央が少し残念そう。
顔は3人の中だったら1番好みだって言ってたし。
彼氏持ちが何言ってんだって話だけど。
そんなことをぼーっと考えていると
廉「お前、まだ恋人ごっとやっとんのな。」
すれ違いざまに
廉くんがぼそっと吐いた。
左を向くと3人は談笑してる。
よかった。
聞こえてないみたいだ。
廉くんは、知ってたんだね。
私がとってもずるいこと。
いつも紫耀と一緒にいたら、
嫌でも彼の本当の好きな人に気づいちゃうよね。
本命の存在を知ったあと、
色々考えたら
全ての元凶が私と判明したと。
正解だよ、廉くん。
少し前から、
あなたが私に冷たいことには気づいていたけど
そういうことだったのね。
でも、もうすぐだから
あと少しで紫耀は自由になるから。
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作者名:Kipi | 作成日時:2019年1月7日 9時