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俺は下で待ってる、
紫耀がそう言ったから


私は1人で病室に入る。




ドアを開けた途端、


ピッピッピッという心臓音がして
彼女がまだ生きてることを私に伝える。




「検査の結果、

命に別状はありませんでした。


ただ、頭を強く打っていますので

また詳しい検査は必要でしょう。」



ベットの横に立っていたお医者さんが
私にそう告げて部屋を出て行く。




それと同時に、



張り詰めていた緊張がぷつっと途切れて
膝から崩れ落ちる。




また、


一人ぼっちになるのかと思った。



また、


大切な人が私を置いて


居なくなっちゃうのかと思った。




幼い頃に

大好きだった両親は
突然、永遠に会えない人になった。


スピード違反の大きなトラックに衝突されて、
事故死だったと後から聞いた。


彼らの命日は、

私の誕生日の前日だった。


両親が乗っていた車の後部座席には
綺麗にラッピングされた
大きいクマのぬいぐるみが置いてあったらしい。


私がそれを欲しいと言わなければ。


たらればを何度も繰り返した。




きっと

雅さんが大怪我をしたのも、

私のせいだ。




私は、

周りを不幸にしてしまう人間だ。




紫耀も、

雅さんも、

お父さんもお母さんも、


私がいなければ

もっと幸せだったかもしれない。





もし、そうなら


私は


「生きてていいのかな。」



無惨に私の口から出た言葉は、

わたしの心の傷を

深く、冷たく、えぐっていく。

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作者名:Kipi | 作成日時:2019年1月7日 9時

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