Una rosa roja - SHO - (ページ34)

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「紫耀、離して？」

わたしは急がなくちゃいけない。

だって、

「はやくしないと、

雅さんが、、、」

もう二度と

両親が死んだ時のような思いはしたくない。

紫「落ち着いて、A。

雅さんがどうしたの？」

紫耀が
自暴自棄になる私を鎮めるように

優しく尋ねる。

「死んじゃうかもしれない、、、」

自分で放った言葉が

私の頭をさらに混乱させて、

目の前の紫耀の表情さえ読み取れない。

紫「A、俺も行く。」

紫耀は私の手を取って、

今度は２人で走り出す。

周りの人達が私達を見てザワザワしてる。

でも、
その言葉１つ１つを認識するような

そんな余裕はない。

いま私の視覚と聴覚を占領するのは、

目の前を走る彼で、

まるで

世界が２人きりのよう。

繋がれた手は、

私の唯一の精神安定剤。