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今だ、

そう思った。


今言わなきゃ、

この先ずっと言葉にできない気がする。


「ねえ、紫耀。」

突然喋り出した私に
ん?と首を傾げる、私のカッコいい彼氏。





「わたしは、


紫耀を解放します。」






紫「どういう意味?」

彼の真剣な顔が怖い。

でも、ここで止まる訳にはいかない。





「今まで、

私のわがままに付き合わせてごめんね。


でも、紫耀といる時間は

本当に楽しくて

気づいたら11年も経ってた。


11年前に

私がここで言ったこと、

全て取り消すから。







今まで本当にありがとう。



紫耀、


幸せになってね。」





最後は笑顔で終わるって決めてたから、

今できる、最高の笑顔を君へ。



私は展望台に背を向けて走り出す。


きっと彼は追ってこない。

なんとなくそう思う。



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作者名:Kipi | 作成日時:2019年1月7日 9時

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