Una rosa roja - SHO - (ページ18)

今日:22 hit、昨日:9 hit、合計:1,063,934 hit

3-1 ページ18

.

未「もうすぐクリスマスだね。」

寒さを増した天気のせいで
私たちの息は白い。

毎年のクリスマス、

紫耀は薔薇を私に贈ってくれる。

小さい時は高価なものは買えないから、
紫耀が見つけてきた一本の薔薇をくれたのが
このきっかけ。

中学生くらいになって
他に欲しいものある？って聞かれたけど

薔薇のままがいい、
私はそう答えた。

薔薇の深紅は紫耀のイメージぴったりだから。

熱いものを秘めるようで
どこかに切なさを残すような、そんな色。

薔薇は毎年１本づつ増えて

今年は１１本になる。

薔薇は本数によって花言葉が違う。
昔、紫耀がそう教えてくれた。

だから今年の薔薇を受け取ることはできない。

だって、１１本の薔薇の花言葉は

' 最愛 ' だから。

彼は私にそれをあげちゃいけない。

わたしはそれを貰っちゃいけない。

彼から貰う ' 最愛の薔薇 ' は
どう頑張ってたって本物にはなれない。

だから、

その前に

私は彼を自由へ解き放つ。