Una rosa roja - SHO - (ページ31)

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海「誰かが予防線を張ってるんだよ。

Aちゃんに変な虫が寄らないように。
嫌な思いをしないように。

そういう奴等が近づいてくる前に
君を守ってるんだよ。」

質問に黙る私に
海人くんは自信たっぷりに言う。

頭が混乱する。

予防線、、、？

もし、もしも、
それが私だとして、

今まで、私を側で守ってくれた人がいるとしたら、

思い当たるのは１人だけ。

でも彼は、、、

「わたし、勘違いしやすいから、

そういうこと言われると期待しちゃうの。

悲しくなるから、

無駄な期待なんてさせないで。」

だって紫耀の好きな子はあの子だもん。

私のことを守ったって彼に得はない。

むしろ、

私が他に目移りしたらラッキーとか
そっちの方向だと思う。

海「まあ、

Aちゃんがどう解釈しようと勝手だけど。」

そう言った海人くんは、

既に立って、屋上を出るドアを開けていて

海「でも、それ確認したことある？」

そう言って
去って行ってしまった。

確認、か、、、

紫耀が誰を好きなのか、

私か、あの子か、

そんな分かりきってること、
聞くだけ無駄だなと思う。

答えを聞いて、自分が傷つくだけだ。

小さい頃からずっと一緒にいたんだから。

紫耀のことなら全部分かる。

分かる。

分かる、、、

ほんとに、、、分かる？

背が伸びて、身体がガッチリして
幼さが消えていって、

どんどんカッコよくなっていった紫耀から

だんだん距離を取るようになっていた気がする。

彼が遠くに行ってしまった気がしてたけど、

わたしが勝手に離れていっただけなのかもしれない。

彼が何を考えているのか、

今は、正直わからない。