第66話 ページ26
まふまふside
「あ、り、が、と、う」
声が出ないのか、Aは口パクでそう言った
っ、ありがとうだなんて…そんなのまるで
もう、死ぬみたいじゃないかっ…
死なせてたまるか
やっと救われたのに、死なせてたまるか
『Aっ死なせない、絶対っ。明日は満月だって、A満月好きなんだよねっ、一緒に見よ……………っっ』
半分強がり、いやほぼ強がりだ
振り絞った言葉は最後が出なかった
Aが震えた手で僕の手を包み首を横に振ったから
僕はその意味が分からないほど鈍感ではなかった
だから大粒の涙がAの頬に落ちた
違う、違うよ。否定したいのに
考えたくないけどAの状態は最悪と言ってもいい
本人も気づいてるんだろうか、傷からの止まったはずの出血が滝のように流れている
ほどよい色白で綺麗だった体は死んだ人のようだ
もう青い血管が見えるくらい白い
無力、だ
好きな人がこんなにも苦しそうなのに、死にそうなのに、何も出来ない
ただ細い手を握って震えることしかできない
僕らはなんて無様だろう
・
＿＿＿＿＿
＿＿＿
＿＿
＿
また、この時間だ
きっと生きてる中でこの時間が一番辛いと思う
憎たらしいほどに冷酷に灯る赤いランプをただ、ただ見つめることしか出来ない、この時間
自分がこんなにも愚かだと思った日はない
最後に見たAの表情が脳裏に映し出される
優しくて、あたたかい笑み
苦しいはずなのに、安らかな微笑みだった
誰でもいい、何でもいい
誰か、僕の願いを聞いてほしい
今まで頑張ってきた、Aを殺さないでほしい
目に見えない何よりも鋭いナイフで刺さないでほしい
生かしてあげてください
笑顔にさせてあげてください
せっかく笑ったのに、救えたのに
『(ここで、終わらせるかよｯ)』
・
・
・
それからすぐだった
昨日より随分早くランプが消えた
それは１つの結果に結びつける何よりのヒントだった
みんなもそう思ったのか何も言えない顔で顔を見合わせる
・
まさか…
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ずっきーにねむいふわふわ(プロフ) - 過去とバッドエンドで泣きまくりました。こんなに感動する小説初めて……。 (2022年12月24日 7時) (
レス) @page28 id: f2c96b9d0d (このIDを非表示/違反報告)
天使ちゃん。(プロフ) - 占ツクで初めて泣きました... (2021年2月21日 5時) (レス) id: 9ae00b4df1 (このIDを非表示/違反報告)
リ - なんか目から何回も水が出てくるんですが何なんですかねこれ、、、、、、なんか止まらないんですけれど、、、？？ (2020年10月6日 0時) (レス) id: e91b9a8a8b (このIDを非表示/違反報告)
ピピ(プロフ) - 小説で泣いたの初めてです………… (2019年12月22日 15時) (レス) id: 57f5280136 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - バッドエンドですごく泣きました！ (2019年12月11日 0時) (レス) id: bf10033614 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：.。なな。. | 作成日時：2019年4月20日 13時
