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「 文句だけは言うなよ 」




棚にかけられた服を私が迷いながら選んでいると横から指を指して口を挟んできた樹。





『 分かってるってば。あ…これかわい 』





思わずそう呟いたのは黒のワンピース

5月の少し涼しい季節に丁度いいから。







それに、マキシ丈のハイネックで袖と裾がフレアになっていてとても上品な所に惹かれた




なんか樹みたいだって思って。









「 これにすんの? 」

『 …ダメ? 』





ドレスと指輪を渡したからと言って、私に手持ちは無いからお金を出すのは必然的に樹だ

それに私にも、多少の気遣いは出来る







「 いや、いんじゃない? 」

『 じゃあ…これにする 』

「 わかった 」



それを受け取って、樹はレジに向かった



他にも日常的に必要な物、下着や靴下なども買い揃え、店を出る。




『 あっ、 』



目に入ったのは行きつけだったデパート


「 ん? 」

『 ここ、懐かしいな 』

あまりに尊く見つめていたのがバレたのか、樹は私の顔を覗き込む


「 このデパート、そんな思いれあんの? 」

『 うん、少しだけね。ここでお兄ちゃんと食べたパフェが美味しかったんだよね、今でも忘れられないよあのちょこぱ、 』





グゥ ──────────────




あのチョコパフェ。その言葉は私の大きなお腹の音で掻き消された






「 は?笑 」


馬鹿にしながらそう言い、彼はケラケラ笑い始めた



はぁ…死ぬ程恥ずかしい、


今まで生きて来てこんなに恥をかいたのは絶対に初めて。



タイミングの悪さと言ったらもう…





『 し、仕方ないでしょ?!私朝ご飯から何も食べてないんだから! 』


精一杯の強がりをすると、ようやく笑いが収まった彼は言った


「 じゃあパフェ。食べる? 」





後から思えば、それが出会って初めて見た、彼の本当の笑顔だった気がする




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Una:ユナ(プロフ) - ゆりかさん» うわぁそんなこと言って貰えて光栄です^^ ありがとうございます! (2020年1月25日 21時) (レス) id: f4e8eb1930 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!!とっても続き気になります!! (2020年1月23日 23時) (レス) id: 1647bd3009 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Una:ユナ | 作成日時:2019年12月16日 20時

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