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A「 樹…受け取らないで、 」





まるでAの声は耳に入っていないかのように、男は催促した





壱「 どうぞ?これはもう貴方のものですから 」

『 誰から? 』

壱「 Aさんのお母様からです 」

A「 …樹、 」







次、言葉を発しなきゃ行けないのは多分俺。



金なんて、勿論要らない必要ない




そんな事よりもAが連れていかれそうなこの状況を、1番変えたい







俺に金を受け取らせたくないAと



金で片付けて早くこいつを連れて帰りたい男__壱馬







当然、俺がこの選ぶ権利を使って守りたいのは







『 …俺は、そもそもAが出て行くことに納得できない。それにこの金も要らない 』



A「 樹… 」




今俺は、こいつの笑顔が見られただけで幸せ





なのにその笑顔を打ち消したのは、またもやこの男






壱「 誰の納得求めてません。……金が要らないならそれで構わねぇ。けどこいつは連れて帰る 」





詰め寄って来た男は背の割に体付きが男らしくて

実際、今掴まれてる腕に込められてる力は相当強い





A「 それ以上樹に何もしないで 」


駆け寄ってきたこいつは、もうとっくの昔に涙目



『 確かに、俺が納得するかはどうだっていい。けどこいつは?幸せになれんの? 』



壱「 いやいや笑…逆にお前はそんなんでこいつ幸せに? 」



鼻で俺を嘲笑った男のAの幸せを願う気持ちは凄く強いと思う



『 そんなんって?どういう意味? 』



一歩間合いをつめ前に進むと、殴り合いが始まるも同然の距離



壱「 あ?こんなんだよ何回も言わせんな 」



A「 もうやめてって言ってるでしょ!どうせ壱馬はあの女の指示で動いてる。私の幸せなんて願ってないじゃん馬鹿! 」


壱「 泣くな。そんな事は教えてねぇ 」




溜まりきれずに零れ落ちたその涙を、男は指で拭った




壱「 帰るぞ。いいな 」


それだけ言って出て行こうと、壱馬はAを引っ張る


『 おい! 』



咄嗟に掴んだ壱馬の腕を振り払われた



壱「 今のお前じゃ、勝てるわけねぇから。 」





その言葉に足が止まった俺は、確かにAを守れない





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Una:ユナ(プロフ) - ゆりかさん» うわぁそんなこと言って貰えて光栄です^^ ありがとうございます! (2020年1月25日 21時) (レス) id: f4e8eb1930 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりか(プロフ) - 更新楽しみに待ってます!!とっても続き気になります!! (2020年1月23日 23時) (レス) id: 1647bd3009 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Una:ユナ | 作成日時:2019年12月16日 20時

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