付き添い ページ10
恭平side
無事に流星くんが自分で支払いすることが出来て、あとは帰るだけやと荷物を整理しとる時に声を掛けてきたチャラめの見覚えのない男。
流星くんの名前を呼び、知り合いのような口調で話すその男と、明らかに怯えた様子で固まる流星くんにただならぬ空気を感じる。
男が流星くんの肩に手を置くとビクッと体を震わせた流星くんを見て、咄嗟に男の手を掴んで流星くんから離す。
「おい、やめや」
「あ？何あんた？」
見た目通りに逆上してきた男に至近距離でメンチを切られて何も言えへんでいると、
「.......っ」
「ちょ...！」
急に流星くんが走り出して、咄嗟に男が流星くんの腕を掴んだけど、それさえも振りほどいてコンビニの外へ走って行ってしまった。
目の前に居る男に言いたい事は沢山あったけど、とりあえず今は流星くんの方が優先やと思って、男をちらっと睨みつけた後コンビニを出て流星くんの走っていった方向に駆け出す。
「...ﾊｧ、ﾋｭｯ...ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...りゅせ、く、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ﾋｭｯ...」
「ぁ、恭平...」
しばらくすると道路の脇でしゃがみ込んで下を向いてる流星くんを見つけて、発作の起きかけて痛む胸と乱れる呼吸を無視して駆け寄った。
「...ﾋｭｯ、ｹﾞﾎｯ..だぃ、じょぶ...ﾋｭｯ、やった...？...ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」
「ん...大丈夫...。びっくりした...」
「ﾋｭｯ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...良か、た...ﾋｭｯ...」
とりあえず流星くんの口から “ 大丈夫 ” の言葉を聞けたことに一安心して、俺もその場に崩れるように座り込む。
「恭平...発作...」
「ﾋｭｯ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ん"っ...ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ﾋｭｯ...」
力の入らん手で自分の持ってるバッグからなんとか吸入器を取り出してボタンを押す。
ｶｼｭｯ
「...っﾊｧ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ﾊｧｯ......」
「ごめん、走ってもうて...」
そう言う流星くんの言葉に首を振る。
背中を摩るのは俺が流星くんにやらなあかんことなのに、逆に背中を摩ってもらって情けない。
「りゅせ、く...ｹﾎｯ...誰、あいつ.....ﾊｧｯ」
まだ呼吸は整わんけど、流星くんに手を出してきた奴が許せへんくて流星くんの顔を伺う。
「...小学校の同級生。あんまええ思い出あらへんねん」
「ん...ﾊｧ、そ、か......ﾊｧ...」
寂しそうな瞳で笑いかけてくる流星くんの顔を見て、これ以上深入りしたらあかんな、と思って口を噤んだ。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
