貧血 ページ48
西畑side
一口だけ夕食のシチューの飲んでくれた流星の頭を撫でて再度ベッドに寝かせ、マグカップに残ったシチューを片づける。
病院にいる時よりも大分身体が楽そうな流星やけど、昨日の夜から丸一日まともな食事と睡眠の摂れてへん流星はかなり貧血気味なようで心配になる。
「あ、流星食べれたん？」
「んー、一口だけ」
みっちーと謙杜は既に自室で寝入ってしまって、はっすんを自室に行かせた丈くんがホールに戻ってきた。
キッチンでマグカップを洗う俺を見て聞いてくるけど、首を振って丈くんと顔を合わせる。
「食べれへんならもう点滴せな...」
「うん、お願いしてええ？」
丈くんが恐らくタブレットで流星の食事記録をつけてる中、呟いた一言を聞き逃さずに点滴を要望する。
診察室に点滴の準備をしに行った丈くんを見て、俺も皿洗い終わりの手を拭いて流星に再び近づく。
「流星、点滴しよっか」
目は閉じていたけど相変わらず深い眠りには入れていない様子の流星に声をかけると、すぐに俺と目が合う。
ちょうどタイミング良く丈くんも点滴を持って診察室から出てきて、流星の腕を捲ったり丈くんの補助に徹する。
「ちょっとチクッとするで」
丈くんの声掛けで流星の腕に針が刺さると、一瞬顔を歪めた流星もすぐに目を閉じてしまった。
「今日流星ここで寝かすから。大吾、大橋頼むな」
「ん、了解」
そう言う丈くんに流星を頼んで、俺ははっすんの部屋に向かった。
「あれ、まだ起きとったん？」
熱は下がったもののまだ病み上がりのはっすんに近づくと、パッチリと目を開けとるはっすんと目が合う。
「ｼｭｺｰｯ...流星、ｼｭｺｰｯ...大丈夫？」
「流星？んー、せやね、ちょっと元気あらへんかな」
「ｼｭｺｰｯ、ごめん、大ちゃん...ｼｭｺｰｯ」
「へ？なんで謝るん？」
予想もしてへんかったはっすんからの謝罪の言葉に、夜中の吸引のために用意していた管を置いてはっすんを見る。
「俺...ｼｭｺｰｯ、熱出して、もうたから...ｼｭｺｰｯ、大ちゃん、流星と...ｼｭｺｰｯ、コンビニ、行けへんかった...ｼｭｺｰｯ」
「元々体調悪かったんやからしゃあないよ。謝ることやない」
「せやけど...ｼｭｺｰｯ」
「大丈夫やから。ほら、はよ目閉じ？」
この施設に来る子らはみんな優しすぎて、自分の事は後回しに他人の事気にして責任感じる事が多い。
優しいのはええんやけど、もっと自責せんで伸び伸び暮らして欲しいな...なんて思いながら頭を撫でた。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
