面会 ページ46
道枝side
日が沈んできて病室に夕日が差し込んで来た頃、長尾が急に動き出したから何かと思って大吾くんを見る。
“ そろそろ帰るよ ”
一応持ってきてはいるけどずっと補聴器を着けてへんくて、大吾くんが伝えてくれた手話に頷く。
看護師さんが言うには今日中に目を覚ます予定の恭平やけど、未だに目を覚ます気配は無くてずっと恭平を見つめていた。
大吾くんが聞こえとるかも分からへん恭平に声をかけるのを見て、俺も恭平に話しかける。
「きょ、へぃ...はょ、ぉきてな？」
補聴器を着けとらんせいで自分でもちゃんと発音出来とるか分からへんけど、伝えたい事は伝えた。
自分たちが座っていた椅子を長尾と片付けて、手を引かれながら恭平の病室を後にする。
流星くんは病室で一言も発さずただ恭平を見つめるだけで、今も大吾くんに支えられながら歩く背中を追う。
帰りの車内でも流星くんは乗り込んですぐに目を閉じてしまい、今日は学級も来れへんくらいやったから疲れたんかな...と思って、車内にあるブランケットを流星くんにかけてあげた。
長尾も特に話しかけてこやんからバッグから補聴器を取り出して、やっと聞こえた環境音とともに車窓に目線を向けた。
「「ただいまー」」
病院と施設間はあっという間で、隣で座っとる流星くんを大吾くんに任せて長尾と一緒に一足先に施設に入る。
「じょぉくん、ぉぉはしくん、ただぃま」
「ｼｭｺｰｯ...おかえり...」
「ん、おかえり。手洗ってき？」
「ぁい」
キッチンで夕食を作っている丈くんと、さっきより幾分顔色の良くなった大橋くんに声をかける。
「流星、そこのベッドに居り」
手を洗う前に上着を脱いでいると、大吾くんに支えられた流星くんがホールのベッドに寝かせられる。
「流星どんな感じ？」
「んー、貧血やと思う。目眩するんやって」
「了解。...流星？ちょっと足上げるな？」
キッチンからテーブルに夕食を運ぶついでに流星くんの元へと向かった丈くん。
流星くんは目の上に腕を当てている状態で、丈くんと大吾くんが複数のクッションを積んでその上に流星くんの足を乗せ、診察を始めた。
そんな様子を横目に手を洗おうと洗面所に向かい、そのままの足で自室に持っていた荷物を置きに行って、またホールに戻った。
「...あ、みっちー。ご飯やで」
ホールに入ると視線が合った丈くんに声をかけられて、既に恭平と流星くん以外が揃っているテーブルに向かった。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
