無気力 ページ41
流星side
自室に籠ろうと思ったんに、丈くんの優しさに負けてされるがままホールに連れてこられて、作ってくれたココアを一口飲む。
「美味し...」
「ん、良かった」
そう言って笑顔で俺の頭を撫でてくれる丈くんの温もりとココアの温かさに少し安心する。
さっきまで “ 一人になりたい ” なんて我儘を言ったのに、今じゃ丈くんのココアを飲んでいるなんてあまりにも身勝手すぎる。
「急に部屋籠るから大吾焦っとったで？部屋行くなら行くでええけど、ちゃんと言わな何かあった時困るやん」
丈くんにごもっともな事を言われて、ぐうの音も出ず俯く。
「ごめんなさい...」
「大丈夫、顔見せてくれたからええよ」
また優しい笑顔を向けてくれる丈くんに、まだ隠し事のある俺は少し心が傷む。
「ゆっくりしててええよ。俺少し事務室におるから、何かあったら呼んでな？」
そう言うと丈くんはタブレットを持って事務室に向かい、ホールの広い空間に俺だけが残された。
さっき俺が一人になりたいって言ったから丈くんが気を遣ってか少しの間一人の時間をくれて、ココアを飲んだ身体がポカポカしてソファに横になり目を瞑った。
目は閉じても眠りには入れなくて、微かに聞こえた物音に反応して目を開ける。
丈くんかと思ったけどキッチンに立ってるのは大ちゃんで、いつの間にそんな時間が経過していたのかと思う。
ソファから身体を起こすと寝てないせいか、はたまたご飯を十分に食べとらんせいか、全身の怠さと軽い目眩を感じて思わずギュッと目を瞑る。
「...あれ、流星起きたん？」
キッチンから大ちゃんの優しい声がかかり、少し落ち着いた目眩に顔を上げる。
「目閉じてただけ...」
「そっか...そろそろ学級終わる頃やし、恭平のとこ行く準備して欲しいんやけど...」
そう言いつつ俺の顔を真剣に見て近づいてくる大ちゃんに、ソファに座りながら少し後ずさりする。
「...顔色悪いで？具合悪いんとちゃう？」
そう言って首筋に手を当てたり下瞼を下げたりする。
「そんなことない...」
「ん〜、貧血かなぁ...」
今感じてる不調を言えば到底恭平の面会には行かせてくれへんやろうし、少しすれば治る程度やから大丈夫やのに心配そうな顔で覗き込んでくる大ちゃんにはバレバレ。
「恭平の所行ってもええけど無理はせんこと。約束して？」
「...分かった」
今の時点でもう無理してるのは確定やけど、大ちゃんの言葉を渋々承諾した。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
