無気力 ページ39
西畑side
ｺﾝｺﾝｯ
「...流星？居る？」
控えめにノックをして中から聞こえてくる音に耳を澄ますけど全く物音がしやん。
「開けるで...？」
「...ぃや、入ってこんで」
倒れてたりしたらあかんと思ってドアノブに手をかけるけど、微かに聞こえたドアの向こうの流星の声に動きを止める。
「...分かった、入らんから。ここからお話してもええ？」
ドアに顔を近づけて流星に聞こえるように話すけど返答は無く、否定はしてこやんからOKと勝手に解釈してドアを背にしてその場にしゃがみ込む。
「...どしたん、急に。トイレ行くって言っとったのにホールに来やんから心配したんやで？」
なるべく流星の心を傷つけへんように優しく問いかけるけど、案の定返答は無い訳で。
「謙杜とみっちーの授業終わったら恭平のとこ行くやろ？一緒に準備せん？」
部屋に居るのはええけど今どんな状況で居るのかを確認したくて、少しでも流星と顔を合わせる術を考える。
少し意地悪やけど “ 恭平 ” というワードを出せば流星も少しは食いつくんやないかと思い、流星からのアクションを待つ。
「...もう、嫌ゃ」
「何？何が嫌なん？」
昨日からあまり弱音の吐くことのなかった流星から、やっと発せられたSOSに耳を傾ける。
「俺歳上やのに...みっちーと謙杜には心配かけとるし、恭平は俺の事嫌いになったんや...」
「そんな事あらへんよ？みっちーも謙杜も流星が大好きやから心配しとるんやし、恭平だって嫌いになんてなっとらんよ？」
「嫌やねん...全部いゃ...」
昨日と変わらん様子で自分を責めとるけど、少しずつ流星の声が震えるようになってきて心配になる。
「全部受け止めたるから...、部屋入ったらあかん？」
流星の心情を知るには物理的距離を縮めるのが一番手っ取り早いと思って単刀直入に聞いてみるけど、しばらく流星からの応答はなくて少し流星の鼻をすする音だけが微かに聞こえる。
「一人にさせて...もう嫌やねん...」
ドアの向こうから流星の小さな声が聞こえて腕時計を見ると既に時間が結構経過していて、丈くんとはっすんの見守りを交代せなあかん時間が刻一刻と過ぎていく。
「俺、はっすんの様子見なあかんから...なんかあったらちゃんと呼ぶんやで？」
流石に何も話せへんままここに居ってもしゃあないと思って、静かに立ち上がり流星の部屋を離れてはっすんの部屋に向かった。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
