無気力 ページ38
西畑side
流星に学級に行くかの確認をしてから、補聴器を外してスマホを眺めるみっちーの肩を軽く叩く。
“ 流星、午後も授業行けへんみたい ”
そう伝えると、分かりやすく眉毛を下げて悲しそうな表情をするみっちー。
“ でも恭平の面会は行くって言っとったよ ”
“ 俺も行く ”
心配そうな表情を浮かべるみっちーに付け足すと、すぐに持っていたスマホを置いて手話を返してきた。
“ 学級終わってから行くから。準備しといてな ”
そう言うとコクッと頷いたみっちーの肩に手を置いてその場を離れる。
「...ちょっとトイレ」
そう言ってホールを出ていった流星を横目に、今度は謙杜にも伝えておこうと声をかける。
「謙杜、流星午後も学級行けへんって」
「んっ...そうですか...」
そう伝えるとみっちー同様、悲しそうな表情をする謙杜。
「恭平の所は行くみたいやから...謙杜も行くやろ？」
「行きます...んっ」
「おっけー。はっすんと丈くんは施設に居るみたいやから、午後の授業終わったらすぐ行ける準備してな？」
「んっ、はーい」
本来なら今日はっすんの熱が下がってみんなで恭平の面会に行く予定やったけど、朝食で咳き込んでから少し苦しそうにしてて自室で寝込んどるはっすんを外出させることは到底出来ひん。
丈くんが施設に残ってくれるみたいで、お言葉に甘えて俺と中学生組で恭平の様子を見に行くことになった。
ホールに学級の先生方が入ってきて、謙杜とみっちーを連れて教室に向かった。
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ...
午後の授業開始を知らせるチャイムが鳴って、そろそろ丈くんとはっすんの見守りを交代する時間やと気づく。
「あれ、そういえば流星...」
昼休みにトイレに行くと言ったっきり、一向にホールに帰ってくる気配がなくて胸がざわつく。
とりあえずトイレを覗くけど流星の姿はなくて、丈くんの居るはっすんの部屋に向かう。
「丈くん」
「あ、大吾。交代の時間？」
部屋に入るとパソコンとにらめっこしている丈くんが顔を上げる。
「せやねんけど...流星の様子ちょっと見てくるから、もう少し後でもええ？」
「流星？ホールに居るんとちゃうの？」
俺が伝えるとびっくりした様子で俺を見てくる丈くん。
「トイレ行くってホール出て行ったんやけど、トイレに居らんから多分部屋行ったんかなって」
「まじか...俺まだここ居るから流星の様子見てきて」
「了解です」
はっすんの部屋を出て、小走りで流星の部屋へ向かった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
