無気力 ページ36
道枝side
流星くんが担当の先生に連れられて教室から出て行くと、俺の担当の先生に声をかけられて再びテキストに目線を戻す。
昨日流星くんに送ったメッセージは俺が寝てしまった後に読んでくれたみたいで、日付の変わった頃に返信が来ていた。
もしかしたら返信してくれへんかも...なんて思っとったけど、優しい流星くんやからちゃんと “ ありがとう ” を伝えてくれて、翌朝には顔を合わすことも出来た。
やけど、今この場に流星くんが居らん事実が未だに心が不安定なのを表していて心配になる。
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝｺｰﾝ...
「じゃあ昼明けはこの単元から始めよう。お昼行っといで」
「ぁい」
施設内に昼休みを知らせるチャイムが鳴って、授業を切りあげる。
結局午前中の授業には流星くんは帰ってこんくて、長尾と一緒にホールへ向かう。
既にホールにはいい匂いが漂っていて、テーブルには流星くんと大橋くんが居った。
「...あ、おかえり。ご飯出来とるで」
大吾くんが気づいて声をかけてくれて、長尾と2人で席に着く。
「...ぉぉはしくん、大丈夫ですか？」
まずは学級に行く前にご飯を喉に詰まらせて吸引してもらっていた大橋くんに声をかける。
「ん、ｼｭｺｰｯ...だいじょぶよ...ｼｭｺｰｯ、ありがと...ｼｭｺｰｯ」
そう言う笑顔の大橋くんは未だにゆっくりな喋り方やけど、俺も微笑み返して今度は流星くんに目線を移す。
「りゅぅせぃくんは？大丈夫？」
「大丈夫。ごめんな？心配かけて」
“ 大丈夫？ ” なんて質問して “ 大丈夫やない ” なんて返してくる人は滅多に居らんのに、そんな言葉しかかけられへん大丈夫そうやない流星を見て、俺もそこそこ意地悪やな、と思う。
「流星ご飯どうする？」
「...んーん、いらん」
「いらんのやったら点滴するけど...ええの？」
相変わらず食欲がないらしい流星くんが大吾くんに聞かれとるけど、点滴という言葉に考え込んでいる。
「少しなら食べる...」
「ん、分かった。ご飯にする？ゼリーもあるで」
「ゼリー...」
点滴よりはマシと思ったのかゼリーを選択した流星くんの目の前に、大吾くんが冷蔵庫から持ってきたゼリーを置く。
「えぇゃん、みかんゼリー」
流星くんが前に好きだと言っていた記憶を元に流星くんに声をかけるけど、目の前のゼリーを見つめるだけで反応はしてくれへん。
全員で食べ始めてからも俺が昼食を半分くらいまで食べた所で、流星くんのゼリーは一口しか減っとらんかった。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
