食欲 ページ33
謙杜side
「ごめ...もう無理...」
食欲がない流星くんに、大吾くんがサラダや味噌汁など食べやすそうな物を並べるけど、サラダのレタスを2、3枚と味噌汁を一口飲んだだけで箸を置いてしまった。
「ん、そっか。少し食べてくれただけでも良かった」
そう言って流星くんに笑顔を向ける大吾くん。
「学級行けそう？今日あんまり寝てへんし、ご飯も食べとらんから無理せんでええけど...」
「...大丈夫、行く」
「ん、わかった」
流星くんの顔を覗き込むと目の下には薄くクマが出来ていて、ほんまに寝とらんねや...と心配になる。
「んっ...流星くん、大丈夫...？んっ」
「...大丈夫、ありがとう」
そう言う流星くんやけどいつものキラキラした笑顔は無くって、目に光も宿ってない。
「学級の準備してくる」
「ほい、行ってらっしゃい」
普段食べるのが早いみっちーよりも先に自室に行ってしまった流星くんを目で追う。
「んっ、流星くん大丈夫なん？」
「んー、学級には行くって言うからとりあえず行かせるけど...、謙杜とみっちーも少し様子見といてくれへん？」
「分かりました...んっ」
そうは言いつつも自分も昨日の恭平を見てからというもの、何となく気分は上がらんくて、自身のいつものテンションに差を感じる。
「...んぐっ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ｼｭｺｰｯ」
「ちょ、大丈夫か？」
考え事をしとったら大橋くんの噎せる声で一気に現実に引き戻される。
「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ｼｭｺｰｯ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ん"っ、ｼｭｺｰｯ」
「大吾、袋持ってきて。吸引の準備も」
「はい」
咄嗟に丈くんが空いてるお皿を大橋くんの口元に持っていくと口に入っていた物をそのまま吐き出して、今度は大吾くんが持ってきた袋を口元に移す。
「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...ｼｭ、ｼｭｺｰｯ...ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ...」
「大橋、吸引するで」
最近は誤嚥することの少なかった大橋くんやけど、昨日からの不調が続いとるのが影響してるんやろか。
苦しそうな大橋くんの表情は見てらんなくて目線を逸らす。
「...ごちそぅさま」
隣に居ったみっちーが食べ終わってお皿を片付けるのを見て、俺も時計を見るとそろそろ食べ終わる頃の時間。
残っていた茶碗の中のご飯を平らげて、俺もみっちーに続いてキッチンにお皿を持って行く。
「んっ、ごちそうさまでした...んっ、部屋行ってきます」
「んー」
大橋くんの吸引で俺の方には見向きもせん丈くんの空返事を聞いてから2階に向かった。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
