食欲 ページ32
流星side
「...はぁ」
夜の間は一睡も出来ひんまま朝を迎えて、既に起きる時間になってしまってベッドから起き上がる。
起こしに来てくれた大ちゃんにいつも以上に心配されて、顔を触られたり軽い問診を受けるけどすぐに部屋を出ていった。
着替えを済ませたは良いけど、いつもより覇気が出なくて気持ちが重いし、変に心配かけへんようにとりあえず1階に降りてホールに入る。
「おはよう」
「あ、流星。おはよう」
キッチンに居った丈くんが真っ先に挨拶をしてくれて、今日は既にホールに来ている大橋くんにも声をかける。
「大橋くん、おはよう」
「...りゅせ...ｼｭｺｰｯ、おはよう...ｼｭｺｰｯ」
いつもより反応が少し遅くてゆっくりで話す大橋くんは、昨日に続いてまだ体調は万全やないんかな...と勝手に予想する。
テレビに映る朝の情報番組を見ていると大ちゃんがホールに戻ってきて、それに続いてみっちーと謙杜もホールにやってきた。
「りゅぅせぃくん、ぉあょござぃます」
「ん、おはよう。あ、昨日メッセージありがと...」
みっちーが俺に近寄ってきて、夜のうちに返信したみっちーからのメッセージを思い出す。
「ううん、今日ホールにりゅぅせぃくんぉってくれて、ょかったです」
そう言って笑顔を向けてくれるみっちーに、少しだけ俺も微笑む。
みっちーからのメッセージにはほんまに救われたし、今日ホールに行く原動力にもなったから感謝してもしきれん。
「よし、食べるで〜」
丈くんの声でみんなでテーブルを囲んで各々の席に座る。
「ぁ、りゅぅせぃくん、パン...」
「あ、忘れとった...ごめん」
謙杜は既に自分の主食であるご飯を盛っとるけど、俺とみっちーはすっかり自分たちの主食のパンを用意するのを忘れとった。
いつもなら出来ることやのに考えるのも億劫になって、当たり前のことが出来てへん自分に嫌気がさす。
みっちーと急いでパンの用意をしてテーブルに戻ると、すぐに食前の掛け声が響く。
「「「いただきまーす」」」
目の前に用意された丈くん特製の朝食を見渡すけど、昨日の夜も食べてへんのに何故かお腹は空かんし、食欲のない俺はぼーっと一点を見つめる。
「...流星？」
見兼ねた大ちゃんが昨日のデジャヴのように声をかけてくれるけど、俺も昨日と変わらず返す言葉が見当たらへん。
「サラダか味噌汁飲んでみる？食べやすいと思うで」
何も発さない俺を見兼ねて、大ちゃんが少量のサラダとみそ汁を取り分けてくれた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 114人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
