自責 ページ21
流星side
「ただいま〜」
玄関から丈くんの声が聞こえて、テレビから視線を外してホールの入口を見る。
「おかえり。お疲れ、丈くん」
「ただいま。大吾こそ、ありがとな」
キッチンで最後の仕上げに盛り付けをしている大ちゃんと挨拶を交わして上着を脱ぐ丈くんに、何となく目線を合わせづらくて再びテレビに視線を戻す。
「...恭平どう？」
「んー、まだ分からんね。起きひんと何とも言えへんし、起きてからも胸痛あるかもって先生が」
「そっか...」
大ちゃんと丈くんが交わす会話を盗み聞きして、相変わらず恭平は危険な状態であることを再確認して落ち込む。
「...流星、」
恭平の事を色々考えていたらいつの間にか近くに来ていた丈くんに名前を呼ばれて、体がビクッと跳ね上がる。
「...ぁ、おかえりなさぃ...」
「ん、ただいま。...ご飯食べ終わったら二人でお話しよか」
いつも以上に優しい言い方で声をかけてくる丈くんに、無言で頷く。
丈くんの言う “ お話 ” とは、俺が施設入所当初に丈くんや大ちゃんとやっていたカウンセリングの事だと暗黙の了解を得る。
「よし、ご飯できたで。みんなで食べよ」
今日は大ちゃんが作ってくれた夕食をテーブルに並べて、各々席に着くと全員で食前の号令をかけて食べ始める。
「食べれる分だけでええからな？」
「ん...ｼｭｺｰｯ」
大橋くんはまだ本調子ではないらしく、丈くんにお粥を食べさせてもらっているのを横目に、俺も目の前にあるご飯を見つめる。
正直お腹は全く減っとらんし、食べる気もせえへん。
箸を持ったはいいけど、その後の動作に移れんくて固まってしまう。
「...流星？」
それを見た大ちゃんが声をかけて顔を覗き込んできた。
それを合図にしてみんなの視線が俺に集まるけど、みんなの視線に耐えられへんくてぎゅっと下唇を噛んで下を向く。
「食べられへん？」
少し間を空けた後、大ちゃんの問いかけに無言で頷く。
「無理せんでええよ。ゼリーとか食べやすいもんもあるけど...それもあかん？」
固形物はダメなのかと思ってか、食べやすい物を勧めてくれるけど今の俺に食べ物は要らんくて黙ったままで居ると、それを見兼ねた丈くんが大橋くんの食事介助を止めて俺に近付いてくる。
「...大吾、大橋お願いしてええ？」
「あ、うん」
「流星、ちょっと部屋行こう」
丈くんが俺の手を握ってくれて、小さい子を連れてるように手を引いて俺の部屋まで一緒に行った。
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ゆん(プロフ) - 佑妃奈さん» はじめまして！嬉しいコメントありがとうございます...！今後ともぜひよろしくお願い致します！＾＾ (4月16日 3時) (
レス) id: 03ea4d57a5 (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 飽きてませんよ!!恭平のお話好きです！ (4月14日 16時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆん | 作成日時：2024年3月22日 1時
